傘と文化との関係

傘と日本画  雨の日に映える和の美

日本画とは

日本画(にほんが)は、日本の伝統的な絵のスタイルです。
主に和紙や絹に、墨や天然の色(岩絵具)を使って描かれます。
題材は、自然や四季の美しさ、風景、人物、動物などがよく選ばれます。
特徴は、繊細な線や柔らかな色合い、ぼかしやにじみを使った表現です。
歴史的には、平安時代から発展し、江戸時代の浮世絵などが有名ですが、明治以降も日本画の伝統は続き、現代でも多くの日本画家が活動しています。
代表的な日本画家には、横山大観や尾形光琳などがいます。

日本画についてもう少し狭義でいうと、1870年代にヨーロッパからもたらされた「油彩画・西洋画」に対して、それまでの日本にあった図画に対して用いられた用語です。
1882年、アメリカの美術研究家フェノロサが「japanese painting」を「日本画」と訳したのが、この言葉の初出とされています。
彼は日本画の特徴として、写実を追わないこと、陰影が無いこと、輪郭線があること、色調が薄いこと、を挙げ、簡潔な表現を評価しました。
その後、岡倉天心が東京美術学校の校長となり、日本美術院を設立しました。
彼は日本画を単に伝統を守るだけでなく、西洋画と競える日本独自の絵画として発展させようとしました。
このため、狭義の「日本画」は明治以降の概念であり、江戸時代以前の作品は含まれません。

傘の描かれている日本画を教えて

傘が描かれている日本画には、いろいろな美しい作品があります。以下にいくつかの例を紹介します。

前田荻邨(まえだ てきそん)「出町の緑雨」

富岡永洗(とみおか えいせん)「傘美人」

鈴木華邨(すずき かそん)「無題」

谷口香嶠(たにぐち こうきょう)「白鷺の精」

上村松園(うえむらしょうえん)
「雪」

「青眉(せいび)」

「牡丹雪」

水野秀方(みずの ひでかた)「つげの花」

竹久夢二(たけひさ ゆめじ) 

鏑木清方(かぶらき きよかた) 「新富町」

伊東深水(いとう しんすい)「傘美人」

鳥居言人(とりい ことんど 五代目 鳥居清忠)「雨」

まとめ

傘が描かれた日本画についてまとめてみました。
浮世絵とはまた違った静謐さや美しさを感じることができるかと思います。
実際の絵に興味を持たれましたら、日本画を見るならこちらという美術館をいくつか紹介しますので足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

名称所在地WEBサイト
東京国立近代美術館東京都千代田区北の丸公園3-1https://www.momat.go.jp/
東京都美術館東京都台東区上野公園8-36https://www.tobikan.jp/index.html
山種美術館東京都渋谷区広尾3-12-36https://www.yamatane-museum.jp/
根津美術館東京都港区南青山6-5-1https://www.nezu-muse.or.jp/
東京国立博物館東京都台東区上野公園13-9https://www.tnm.jp/
京都国立博物館京都市東山区茶屋町527https://www.kyohaku.go.jp/jp/
三の丸肖蔵館東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内https://shozokan.nich.go.jp/
水野美術館長野県長野市若里6-2-20https://mizuno-museum.jp/
千葉市美術館千葉県千葉市中央区https://www.ccma-net.jp/
石川県立美術館石川県金沢市出羽町2-1https://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/
京都国立近代美術館京都市左京区岡崎円勝寺町26-1https://www.momak.go.jp/


傘と浮世絵の関係性について書かれた記事はこちら