親骨、受骨の修理を依頼する時に気を付けることはまず曲がった箇所、折れた個所の素材が何なのか?という事です。まず、折れたのではなく曲がっただけでそこが金属の場合、個人で頑張って慎重に曲げ戻すのはありだと思います。ただし、ある一定以上の曲がりになっている場合は、それは折れですから、ちぎれていないだけで折れたのと同じなので、一般的に曲げ戻す事は不可能となります。
結局、親骨や受骨が折れた場合はほとんどが素人の手で修理は難しい状況になりますので、修理を依頼する方が無難だとは思われます。そして、その折れた部分が金属であれば骨継パーツで無理やりくっつけて骨の寿命を延ばすというのもありではあるのですが、本当はちゃんとパーツを入れ替えた方が傘の寿命は長くなります。
特に昨今骨部品が強化プラスチックで作られていることが多いため、これらが折れた際には親骨と受骨を丸ごと交換してもらうように依頼する方が良いのです。ただ、こちらも修理する側がどれだけのパーツを取り揃えているかが問題となりやすいです。修理事業者さんは世の中にある数千ともいわれる傘の型を取り揃えているわけはありませんので、出来るだけ元の形に近いパーツを付けてもらって満足するのが良いと思います。
なお、これらの修理の際に自動開閉とジャンプ傘だけはこのような一部部品交換での修理はお勧めできません。というのも人間の力ではなくばねなどの力を用いて開閉するこのタイプの傘の親骨、受骨は本当に絶妙なバランスで成り立っています。ですから多少バランスが悪く開きにくい修理になってしまったとしても、人間の手で開くのであれば開きにくいときにゆっくり開く等調整が可能です。ところがばねで開く場合は、その力で無理やり開けようとしますので、傘全体の壊れの原因となってしまいやすいのです。
また特に、自動開閉傘の骨折れの修理に関しては、カバーを乗せ換えて傘骨そのものを交換しカバーだけを生かす方向で修理をする方が良いです。しかし交換するための自動開閉骨を常備している修理屋さんはほぼないと思われますし、そこまで変えるのであれば、ほぼ新品と変わらない費用が発生してしまう事もあり、自動開閉傘の修理には応じていない修理屋さんが多いのはこういった事情があるからなのです。
ですので、確かに便利な自動開閉傘ではあるのですが、現時点では修理は出来ないケースがほとんどであることから、ある意味使い捨ての傘であると言う事は認識しておいていただけたらなとは思います。便利なものは修理が難しいというのは、どんな製品にもよくある話ですよね。