傘と文化との関係

「傘」が使われた名言・格言

皆さんは「座右の銘」を持っていますか?
日頃の自分を方向付けるような言葉は、ブレずに進むときの力強い味方になると思います。
傘マニアとして「傘」に関する言葉で何か力になるものがないか、調べてみました。

松下幸之助

「雨が降れば傘をさす」

松下幸之助

意味:「人間も自然の中で生きている限り、天地自然の理に従った生き方、行動をとらなければなりません。といっても、それは、別にむずかしいことではない。言いかえると、雨が降れば傘をさすということです」と語りました。
事業経営に発展の秘訣があるとすれば、やはりこの天地自然の理に従うことであるといいます。雨が降れば傘をさすごとくに、平凡なことを当たり前にやるということにつきるというのです。

「雨が降れば傘をさそう。傘がなければ、一度はぬれるのもしかたがない。ただ、雨があがるのを待って、二度と再び雨にぬれない用意だけは心がけたい。雨の傘、仕事の傘、人生の傘、いずれにしても傘は大事なものである」
「雨がふれば人はなにげに傘をひらく。この自然な心の働きに、その素直さに、私たちは日ごろあまり気づいてはいない。」

松下幸之助さんは「雨が降れば傘をさす」ことを、1+1=2やお腹がすいたら何か食べる、のように「当たり前」であるということを前提として色々話されています。
確かに現在の日本ではそうかもしれませんが、外国では雨が降っても傘を差さずに出かけたり、傘よりもコートなどが利用されたり、長く降り続かないため雨宿りでやり過ごしたりします。
そのため、その当たり前の感覚は日本国内だけで通じ、外国では通じにくいかもしれないですね。

ボブ・マーリー

「キミは雨を愛していると言うけど、傘をさして歩く。太陽を愛していると言いながら、日陰に逃げこむ。風を愛しているのに、窓を閉じる。だから、愛していると言われるとこわいんだ。」

ボブ・マーリー

ボブ・マーリーは「愛している」という表現の別の面を伝えたいのかもしれませんが、傘をさしていても雨を楽しむことは可能です。
お気に入りの傘をさして、傘にかかる雨音のリズムを聞いてみたり、雨で霞む風景を見ながら散歩してみるのはいかがでしょうか。

デール・カーネギー

「最善を尽くそう。そのあとは古傘をかざして、非難の雨が首筋から背中へ流れ落ちるのを防げばよい。」

デール・カーネギー『道は開ける』

何年も前に私が気づいたのは、他人からの不当な批判をまぬがれることはとうてい不可能だが、もっと決定的に重要なことが私にはできるということだ。つまり、不公平な批判で傷つくかどうかは私しだいなのだ。
ここで明確にしておきたいのは、あらゆる批判を無視せよと主張しているのではない。不当な非難だけを無視せよと言っているのだ。
(略)「自分の心の中で正しいと信じていることをすればよろしい。しても悪口を言われ、しなくても悪口を言われる。どちらにしても批判をのがれることはできない」

確かに傘を差さずに、雨が頭から首筋、そして背中へ流れていくのは気持ちのいいものではないですね。
かざすのは古傘ではなく新しい傘の方がしっかりと雨を防ぐことができるはずです。

マーク・トウェイン と ロバート・フロスト

「銀行家というのは、太陽が照っているときに自分のを差し出して、雨が降り始めるやいなや、それを返せと言うような奴だ。」

マーク・トウェイン

「銀行とは、天気のよいときにを貸し、雨が降り出すと返せという所である。」

ロバート・フロスト

銀行の融資スタンスを言い表したものです。このフレーズに出てくる傘とは「融資金」のことで、晴れの日とは「業績がいいとき」のこと、雨の日とは「業績が悪いとき」のことを指しています。
つまり、晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を貸さないとは「業績が良くお金に余裕があるときにはお金を借りてくれとお願いするくせに、業績が悪くなって本当にお金に困っているときにはお金を貸さない」という銀行への不満・皮肉を言い表したものです。

これは傘を例えとして使われていますが、実際に天気の良い時に日傘を貸してくれれば助かります。日傘専用傘ですと雨には十分に対処できないものがありますので、雨が降ってきた時は返却した方がいいかもしれないですね。

ジェームズ・ラッセル・ローウェル

「妥協。それはいっときの傘である。そんなものを屋根につかってはいけない。」

ジェームズ・ラッセル・ローウェル

妥協とは、対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること、と意味づけられています。
しかしながら実際に使われる場合は、納得していないが主張を控えて結論付ける、と使われることが多いのではないでしょうか。
その意味では、雨のように降ってくる相手の主張を手軽な傘でいつも避けるような、いつも自分の意見を抑えてばかりいることはよくないことだ、しっかりとした屋根(自分の意見)の下で雨に対処するようにといっているのでしょう。

「いっときの傘」を「その時しか使わない傘」と考えてみましょう。
出先で雨が降り、たまたま傘を持っていなかったため買った安物のビニール傘は、耐久性が低いため永く使えずすぐ壊れてしまう運命です。
ビニール傘の廃棄は大きな環境問題となっていますので、永く使える傘を持つようにしましょう。

リチャード・バック

「人間は大体、目に見えるものしか信じてないでしょ。
例えば雨が降って、地上では傘をさしてる。だけど、飛行機で雲の上に上がってしまえば、そこに太陽はある。
人々は頭上に太陽があることを、忘れているだけなんだ。」

リチャード・バック

人は近視眼的であり、大局を見通せず、目先の事だけにとらわれているものである、という思い込みや視野が狭いことが良くあることをさしています。
視点を変えるためには、立場の違う人からの意見を聞くことが大切なのではないでしょうか。

確かに傘をさしているときは、雨雲の上の太陽の存在について意識することはないですね。
ただし傘の内側に青空や星空がデザインされている傘がありますので、そのような傘なら雨雲の上を思い出すのではないでしょうか。

ジョン・ケージ

「欧州では、人々が絶えず自分の傘を開こうとする傾向にあることもまた確かですね。
人々は文化から降ってくるものを好まず、真の文化的純粋性に行き着くと信じているのです。
それは疑いもなく幻想なのですがね。」

ジョン・ケージ

過去の芸術的な音楽の要素である和声やメロディ、リズムなどを解体したのがジョン・ケージです。文化的純粋性とは別方向に向かっていたのでしょうか。
話は変わりますが、以前コロナ禍において、傘を使うことでソーシャルディスタンスが保たれるという話を聞きました。
自分一人が入る傘なら2m近くの距離は出そうですが、一つの傘に二人で入る相合傘の時は距離を作ることは難しいですね。別の熱が出ないといいですが。

黒田官兵衛

「おまえは時々、部下を夏の火鉢やひでりの雨傘にしている。改めよ。」

黒田官兵衛

「滝材適所、あるいはその人間が持っている能力をうまく使っていないという事だ。夏の火鉢が役に立つか。あるいは日がカンカン照っている時の雨傘が役に立つか。
おまえは、部下の能力を見抜けず、また適性がどこにあるかもよく考えない。そのために、部下に随分と無駄な労力を費やさせることが多い。
それを私は“夏の火鉢やひでりの雨傘だ”といったのだ。心得よ」

もし、雨傘も日傘の役割として活用することを目指しているのであれば、本来の役割とは違う役割でその能力を活かそうとしているといえるのではないでしょうか。
夏の火鉢も暖を取るのではなく、上に網を置いて食べ物を焼いて食べるのでしたら大いに役立つと思います。

ヨハン・ゲーテ

「雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい。それが自由というものだ」

ヨハン・ゲーテ

自由についての説明、人はそれぞれ自分のやりたいことをやることができると、とらえることができますが、ゲーテは他にも以下のような「自由」に関する言葉を残しています。

・本当の自由な心とは「認める」ということである

・自由でないのに、自由であると考えている人間ほど奴隷になっている。

・立法者にしろ、革命家にしろ、平等と自由を同時に約束する者は空想家でなければ山師である。

自由という言葉のポジティブな面とそれだけではない意味について格言を残している。雨の中踊る人は映画だけではなく実際にいても、自由を認めてあげて傘を貸さなくてよさそうです。
何度も言いますが雨に濡れたままでいると風邪をひきますので、傘を差した方がいいです。ただし、風邪をひく自由もあります。

まとめ

傘をモチーフにいろいろな方が名言・格言を言ってました。
このほかにもまだまだたくさんあると思います。傘は大昔から世界各地で使われてきましたので、傘の持つ意味やイメージが多くの人に共通してあるからこそ、名言・格言の意味が伝わるのだと思います。
まだまだこんな傘の名言・格言があるよ、とご存じの方はぜひご連絡ください。