傘を解析する

傘袋の世界 種類と用途を徹底解説 

今回は傘袋が主役

傘を購入した時、傘袋(傘ケースともいわれる)がついていることがありますが(特に折りたたみ傘が多い)、その傘袋は活用されていますか?
それとも使っていませんか?
もしくは別の傘袋を購入してそれを利用していますか?
十人十色、人それぞれと思いますが、傘とは違って主役にはなれない「傘袋」について考えてみました。

傘袋の種類

繰り返し使えるタイプ

布製傘袋(マイクロファイバー・吸水素材)


o 折りたたみ傘用が主流だが、長傘用もある
o 内側が吸水性の高い素材でできており、水滴を吸収する
o 洗って繰り返し使用できる

ナイロン・ポリエステル製傘袋


o 撥水加工されているものが多く、濡れた傘を入れても外に染み出しにくい
o コンパクトに折りたためるものが多い

傘ケースタイプ

ジッパー付きケース


o 折りたたみ傘向けで、ファスナーで密閉できるタイプ
o 防水性があり、バッグの中を濡らさない
o プラスチックやEVA素材でしっかりした作りのものが多い

ハードケースタイプ

o 硬めの素材でできており、しっかりと傘を収納できる
o 傘の型崩れを防ぎつつ、水滴を防ぐ

巾着タイプ

○ ビニール素材で防水性がある。
○ 袋の口が広いため傘を入れやすい

特殊なタイプ

吸水傘袋(珪藻土入り)

o 珪藻土を使った吸水性の高いインナーを備えている
o 速乾性に優れ、何度も使える

バックに取り付けるタイプ

o リュックやショルダーバッグに取り付けられる形状
o 傘をしまった後で、持ち運びが楽、カバンの中に干渉しない

折りたたみ式の長傘用袋

o 使用しないときはコンパクトに折りたたんで持ち運べる

売っているときしか使わない、買ったら使わない派


傘の袋(傘袋)について、「購入時にしか使わず、その後は使わない、捨てる・失くす人が多い」との指摘がありますが、具体的な割合を示す統計データは見当たりません。
しかし、日本では年間約8,000万本のビニール傘が消費されているといわれていて、多くの人が傘を頻繁に購入し、使い捨てている可能性が高いと考えられます。
また、傘袋の使用に関しては、環境への配慮から繰り返し使える「マイ傘袋」を導入する動きもあります。
例えば、金城学院大学の学生たちがICタグ付きの「マイ傘袋」を企画し、利用者が傘袋のタグをかざすとポイントが付与され、環境保護団体等に寄付される仕組みを提案しています。

金城学院大学HP https://www.kinjo-u.ac.jp/ja/news/detail/?id=1010

傘袋を使わない人と使う人の違いについての具体的なデータはありませんが、環境意識や利便性、個人の習慣などが影響していると考えられます。
使い捨て傘袋の環境負荷を懸念し、繰り返し使える傘袋を持ち歩く人もいれば、利便性を優先して使い捨ての傘袋を利用する人もいます。
なお、逆さ傘など特殊な形状の傘を使用している場合、市販の傘袋に入らないことがあり、傘袋を使用しない理由の一つとなることもあります。

全体として、傘袋の使用状況や習慣は個人の価値観やライフスタイル、環境意識によって大きく異なると考えられます。

利用目的によって形状が変わる

傘袋は利用目的や状況によって適した形状が異なります。
以下に、さまざまな状況ごとに適した傘袋の形状をまとめました。

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1. 傘の販売時

• 適した形状: スリムでコンパクトなデザイン

• 理由

o 店頭での見た目を美しく保つため
o 傘がスムーズに取り出せるようにするため
o 梱包や持ち運びの利便性を考慮

• 細身のビニール袋や簡易的な布袋
• 持ち手部分に引っ掛けられるループ付き袋
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2. 雨天時の一時使用(屋内での持ち運び)

• 適した形状: ゆったり目で開口部が広いデザイン

理由

o 濡れた傘をスムーズに収納しやすい
o 余裕を持たせることで袋の内側に水滴がつきにくい

• 入口に設置されている使い捨てビニール傘袋
• 簡単に出し入れできる大きめのナイロン製袋
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3. 持ち歩き時(バッグや手で持つ場合)

• 適した形状: 吸水性があり、コンパクトに収納できるデザイン

• 理由

o バッグの中が濡れないように吸水素材が適している
o かさばらない設計が望ましい

• 内側がマイクロファイバーの折りたたみ傘用袋
• コンパクトに丸められる布製袋
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4. 車内での収納

• 適した形状: 防水性があり、しっかり密閉できるデザイン

理由

o 車内を濡らさないようにするため
o 密閉できると水が漏れにくくなる

• ジッパー付き防水ケース
• 防水シリコン製の密閉袋
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5. 自宅やオフィスでの収納

• 適した形状: しっかり収納できるスタンド型や掛けられるデザイン

• 理由

o 収納スペースを確保しやすい
o 傘をすぐに乾かせる

• 吊るして干せるメッシュタイプの袋
• スタンド付きの自立型袋
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6. 公共交通機関(電車・バス)での利用

• 適した形状: 短時間の持ち運びに適したシンプルなデザイン

• 理由

o 他人に迷惑をかけず、しっかり水滴を防ぐことが必要
o 乗車時にすぐ収納しやすい形状が望ましい

• サッと入れられるナイロン製のゆったりした袋
• 防水&吸水機能付きの二重構造袋
• 速乾吸水袋 / ジッパー付きケース
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7. 環境配慮(エコ目的)

• 適した形状: 繰り返し使える丈夫なデザイン

• 理由

o 使い捨てを減らし、環境負荷を軽減できる
o 長期間使える耐久性が重要

• 洗える布製の傘袋
• 吸水&速乾素材を使用したマイ傘袋

・傘の種類、生地によって最適な運用・傘袋の種類

傘の種類や生地の違いによって、適した傘袋の運用や種類が変わります。以下に、傘の種類や生地ごとに最適な傘袋を分析しました。

  1. 傘の種類別の最適な傘袋の運用
傘の種類特徴適した傘袋の運用推奨される傘袋の種類
長傘(一般的な傘)サイズが大きく、濡れる面積も広い濡れた状態でもスムーズに収納できる、吸水性があると便利・使い捨てビニール傘袋(店舗・施設)
・吸水布製袋(持ち歩き用)
折りたたみ傘コンパクトで持ち運びしやすいバッグに収納するため、吸水性が重要・マイクロファイバー吸水袋
・ジッパー付き防水ケース
逆さ傘(濡れた面が内側に畳まれる)開閉時に周囲を濡らしにくい収納しにくく、持ち運び中に水が滴る可能性あり・防水&撥水素材の袋
・ストラップ付き収納ケース
ビニール傘(コンビニなどで購入)安価で使い捨てにされがち使い捨てを避けるため、持ち運び用の簡易袋があると良い・簡易ビニール袋
・ナイロン製持ち運び袋
高級傘(ブランド傘)傘自体を大切に扱う人が多い生地を傷めないよう、柔らかい袋が適している・ベルベットやコットンの専用袋
日傘(晴雨兼用含む)濡れることが少ないが、防水性があるものも汚れ防止や持ち運びやすさを考慮・通気性の良い布製袋
  1. 傘の生地別の最適な傘袋の運用
生地の種類特徴適した傘袋の運用推奨される傘袋の種類
ポリエステル(一般的な傘の生地)撥水性が高く、乾きやすい短時間の収納で問題なし・シンプルなビニール袋
・吸水布製袋
ナイロン(折りたたみ傘によく使用)軽量だが、撥水力が劣る場合あり濡れると水が溜まりやすいので、吸水性が必要・マイクロファイバー吸水袋
綿・絹・麻日傘や晴雨兼用傘で使われる撥水加工がされているので通気性・吸水性が高い袋・吸水性の高い共袋
EVA樹脂(透明ビニール傘)乾きにくく、表面に水滴がつきやすい水滴を防ぐため、しっかりカバーできる袋が良い・防水ナイロン製袋
テフロン加工生地(撥水性特化)水を弾きやすいが、一度濡れると水滴が溜まりやすい通気性があり、水滴をすぐ吸収する袋が望ましい・吸水性の高い布製袋

結論


傘の種類や生地に応じて、適切な傘袋の形状・素材を選ぶことで、持ち運びや収納が快適になります。
特に、吸水性が求められる場面(バッグ収納・公共交通機関)ではマイクロファイバー素材、完全防水が求められる場面(車内・長時間の持ち歩き)では水漏れしない素材によるジッパー付きケースが適していることが分かります。
環境問題も考慮し、使い捨てを減らすために繰り返し使える傘袋の活用が今後さらに重要になりそうです。