傘論評

【WPC.】梅雨におすすめ注目傘レビュー 2025年話題の折りたたみ傘

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WPC.go-koh超軽量遮光日傘55ブラック

傘業界25年以上の専門家がレビュアーとなり話題の折りたたみ傘を独自の視点で分析していきます。
今回は、WPC.のgo-koh超軽量遮光日傘55ブラックを取り上げます。

サマリー(要約)

お勧めできる人のタイプ

機能性を重視する人
小さなカバンを使う人
ミニマリスト傾向のある人
風がある時は傘を使わないと割り切れる人

お勧めできない人のタイプ

傘を畳たたむときに手間取るとイライラする人
大きな傘が好きな人
傘を雑に扱いたい人
コスパを気にする人

評価項目について

以下の8項目について評価いたします。評価方法は、項目ごとに基準となる点数があり、評価対象の傘の仕様によって評価(加点・減点)しています。
それぞれの項目の内容は相関しているため評価が反比例することがあります(携帯時のサイズが小さいと使用時のサイズも小さくなる、携帯性が高くなると壊れやすくなる、サイズが大きい方が価格が安くなる、など)

項目1 軽さ軽い方が高評価
項目2    携帯時のサイズ長さと太さで判断、長さは短い方、太さは細い方が高評価
項目3    使用時のサイズ原則大きい方が高評価だが一定以上の大きさを超えると減点。中棒の太さが太い方が取り回しの良さから高評価。親骨の数が多いと生地面積が広くなるため高評価
項目4 たたみやすさ親骨の数が多い、形状記憶、高撥水性、閉じたときの親骨のまとまりがよいと高評価、ホック式、生地の柔らかさは減点
項目5    生地性能生地の種類と加工技術の組み合わせによって判断
項目6    価格安い方が高評価
項目7    耐久性能使用頻度と壊れやすさの視点から骨の素材・構造・構成、生地の縫製によって判断
項目8 耐風性能耐風性の視点で骨の素材・構造・構成、生地の縫製によって判断。どんなに対策をしても傘は強風で壊れるものであるという考えが評価者の視点なので、強風に関して評価したものではない事を明記させていただく

項目1 軽さ

100g台の重さは十分に軽い

軽さ
103g

① 軽さの得点 10

公式に95gと書かれているのですがこの個体は103gでした。
個体により相当なばらつきがあるのかもしれません。
この製品の平均重量を調べたわけでは無いですからたまたまなのかも知れませんが、景品表示法的に大丈夫なのか気になるところです。
生地が遮光加工なので生地のばらつきよって重さが変わる可能性は否定できないところではありますけど、どうなのでしょう?

とはいえ、103gというのは極めて軽量な傘です。
強化カーボン骨を使用したとても良い骨を使用している上に親骨も5本で中棒も8Φ以下と絞り込んでおり、55cmサイズであってもとても軽いです。

項目2 携帯時のサイズ

カバンの中に入れてまったく邪魔にならない大きさ

親骨55サイズの傘なのにサイドポケットにギリギリ入るほど小さい

ドリンクホルダーでは余裕がありすぎてしまう

長さ的にペットボトルと同等だが、圧倒的に細い

バッグのサイズ
バッグ全体    横幅 275mm  奥行 130mm  高さ 275mm
前ポケット    横幅 200mm  奥行 30mm   高さ 165mm
ドリンクホルダー 横幅 125mm  奥行 なし     高さ 140mm

携帯時のサイズ
22.5cm B5サイズのクラッチバッグにギリギリ入ります
A4サイズのバッグの横倒しで余裕をもって入ります
バックパックのドリンクホルダーにほぼ隠れます

たたんだ時の太さ3.4cm

② 携帯時のサイズの得点 12

親骨が55cmサイズであるため、長さはそこそこありますが太さはかなり細いです。
この携帯時サイズであれば、どんなバックにも安定的に入れることができそうです。
常備する傘としては素晴らしい細さです。

項目3 使用時のサイズ

使用時
親骨サイズ55cmと生地の内接円半径45.3cm

③ 使用時のサイズの得点 1

展開状態のサイズが親骨55cmサイズとかなり大きい傘でありますが、親骨が5本と少ないため基本的にカバー面積に乏しいです。
また、中棒が8Φ以下とかなり細いため、この傘を使用する際に安定感がとても低いです。
手元が極小であるために中棒を持って使用しなくてはならないのですが、ここが細いために傘の取り回し感が悪く、しかも上ロクロと中棒の接合部分が脆弱であるために安心して傘を使えない感覚に囚われます。
物理的なサイズ評価に取り扱いにくさを含めた結果、きわめて低い評価となっています。

項目4 たたみやすさ

秒でたたんだ場合

時間をかけて丁寧にたたんだ場合

バンドの取り付けが丁寧でとても良い

④ たたみ易さの得点 6

生地は薄いが遮光のためのPU加工(ポリウレタンを裏から塗る加工)がある生地ですので、たたみにくいという程コシがないとまでは言えません。
撥水性が高く骨の収まりも良いので、雨の時にたたむ作業がやりやすい点は高評価です。
ただし親骨が5本しかないので、たたむときにひだがそれぞれ長くなっており、まとめるのに非常に苦労します。
考え方を変えて、生地の薄さを生かし、きれいにたたまずに適当に丸める運用する前提であればこの項目は無視できるかも知れません。

項目5 生地性能

遮光性、撥水性に優れる良い生地

⑤ 生地性能の得点 8

極薄生地を使用していますが遮光加工や超撥水加工など生地に機能という質感を与えているため、リップストップ等を含め機能全部盛りである点を高評価しています。
また、縫製も良く作りが丁寧なのでこの部分でも加点しました。
このタイプの生地を使用した場合の質感としては最高評価点を付けさせていただいたつもりです。

項目6 価格

カッコいい外装なのに潰れ箱は残念ポイント

⑥ 価格の得点 4

4,730円という中価格帯の傘。
箱や傘袋に凝っているため、その部分によって価格がある程度高くなっているのは止むを得ないところでしょう。

ただ、この個体に関しては購入時点で傘箱が潰れていたので、まずいではないのかなと思いました。
今回のレビューにおいて、箱などの付属部分に関しては折りたたみ傘の評価対象としていないので関係ないのですが、意外と気が付きにくい部分です(私は購入時には気が付かず、写真を撮りながら発見したので)。
ですので、人によっては購入時に箱に瑕疵がないかどうか気を付けておいた方が良いかも知れません。
贈答用に買った人がこのような個体を購入していたらちょっと問題がありそうですので注意しましょう。

項目7 耐久性能

全てのハーツがとても細いが高品質

手元の取り付けはしっかりとしている

⑦ 耐久性能の得点 6

親骨に関しては骨自体の品質が高く、突風以外で壊れる要素は見受けられません。
また手元が小さいので手元接合部分にトラブルが発生する可能性も低いと考えられます。
問題は細い中棒と小さい上ロクロでこの部分に関して基本的には脆弱であると言えます。
ただし、きちんと強化されている部分もあり、品質の高さでカバーしている部分も多いため、雑に扱わない限りという条件付きではありますが、長期使用にはある程度耐えうると思われるのでこのような評価となりました。
要するにとても高品質でかつ非常に繊細な傘であります。

項目8 耐風性能

カーボン骨に直接手を触れないよう注意喚起しているのはとても良い

せっかくの高品質骨だが、親骨5本であることが残念な点

⑧ 耐風性能の得点 4

軽量カーボン骨を使用していますが、親骨数が5本と少なく、中棒もアルミの8Φと基本的には高い剛性の要件を満たしてはいません。
ただし、中棒の形状を角型にして少しでも強度を高めようとしている事は評価できます。
また手元の接合部分に関しては、小さい手元を採用することで問題の発生を回避出来ていると言えそうです。
親骨のカーボン部分と接続部分の強化プラスチックの形状からみて潜在能力的には良い骨だと言える部分もありますが、中棒やロクロなど全体的なバランスが悪いと判断しての低評価とさせていただきました。
ちなみにこの折りたたみ傘だけの問題ではありませんが、この項目が低い傘は強めの風が吹く状況下で使用するとどこかに歪が出る可能性が高いという事です。

総合評価

総合評価としては、軽さに特化した日傘なので多少の繊細さに目をつぶって使用するべき傘であると考える事が出来る人にとっては非常に優れた傘です。
機能も多く、晴雨兼用傘としてのすべてが出来るように作られているため、つねに携帯する折りたたみ傘としてはお勧めできます。
ただし、とにかく繊細でありますので、ちょっとしたことで不具合が生じるという事もありうるため、価格的な事が気にならない方が使用する方が良いかなと感じる次第です。

ご注意
傘全集のレビューは実際に商品を購入してレビュアーが評価しています。
評価結果については購入した商品の個体特有の要因があるかもしれませんので、商品全体を示していない場合がありますことをご理解ください。

お勧めできる人のタイプ
機能性を重視する人
小さなカバンを使う人
ミニマリスト傾向のある人
風がある時は傘を使わないと割り切れる人

お勧めできない人のタイプ
傘を畳たたむときに手間取るとイライラする人
大きな傘が好きな人
傘を雑に扱いたい人
コスパを気にする人