石突の修理依頼に関して、依頼者側として気を付けておく必要のある事は、そもそも石突が壊れているのか、それとも中棒が壊れているのかを知る事です。
傘の石突は、共突というものと別突というものの2種類に分かれてるのですが、その違いによって石突そのものが壊れるのではなく中棒が壊れる場合もあるのです。
一般的な折りたたみ傘は別突で、これがネジで取り付けられているものが大部分ですので、破損した場合は、ネジを外して別の石突に交換するだけで済みます。このように一般的に石突部分の破損は先端部分が削れてしまったというものが多いのですが、マンホールなどのくぼみ等に傘の石突部分を突き刺してしまってそのままぐにゃりと石突部分が破損してしまったというケースも結構あります。
こうなってしまうと、石突だけではなく、中のネジ部分も傷んでしまっていたり、中棒に取り付けられた上ロクロ部分が破損するという事もあるので、簡単な修理かと思っていたら思わぬ大手術という事もあったりしますので、どこまで破損しているか、自分でもある程度把握した方が良いかもしれません。
一般的な長傘の場合は別突ではなく共突である事が一般的です。この場合、先端部分の摩耗だけであれば、先端パーツを取り換えるだけで済むケースは多いです。ところが、先述のようにマンホールなどのくぼみで曲げてしまったような場合には中棒そのものが壊れてしまっている事が多くなるため、この場合は中棒交換、そして中棒に付いている手元交換まで視野に入れる必要もありえます。こうなってしまうと残念ですが修理にかなりのコストがかかる事になりそうです。
ちなみに、同じようなケースでも長傘の石突が別突である場合に、別突だけが破損して中棒への被害がなかったという事もたまにあります。これは長傘の別突が中棒をカバーするように取り付けられているためで、車におけるバンパーの役割を果たし、長棒が傷つかないことがあるからです。もっとも、車と同じで、深刻なダメージであれば、バンパーだけでは済まず、車体もダメになることがあるというのは当然ではあるのですが、別突タイプの方が若干丈夫なのは事実です。
では、長傘は別突タイプが修理では一番良いのかと言いますと、こちらには別の問題が発生します。というのも長傘で別突を採用する傘と言うのはかなり高級な部類になるため、代替品を一般的な修理屋さんでは用意できないから修理できない可能性がある点です。類似品もなかなか手に入らないので、部品取り寄せコストがかさむ可能性が高い事が難点と言えるでしょう。