傘雑話集

傘の修理を依頼する(露先)

傘の修理を依頼する(露先)

露先の修理を依頼する場合、一番問題になるのが、同じ色の露先があるかどうかです。

根本的に露先は長傘と折り畳み傘では作りが違っていて、長傘は親骨にさしてある物がほとんどですが、折りたたみ傘の露先は多くが親骨と一体になっています。

親骨と一体になっている露先が壊れた場合はシンプルで、骨がニッケルメッキ色系か黒色塗装系かのどちらかであるケースが多いので、色さえ合わせておけば親骨交換で違和感のない修理が出来ることがほとんどです。
もっとも、全く同じ形の露先が付いた親骨と交換できるケースはほとんどないと言っても過言ではないので、あくまでも似た感じに修理できるという事になります。

これに対し、長傘の場合は露先が別に分かれているためまったく同じ形の同色露先さえ見つけることが出来れば、完全な修理が可能です長傘に使用されている露先の多くはシルバー系、ブラックニッケル系、ゴールド系、アンティックゴールド系の金属製なので、この範囲であれは同色の代替物を見つけることは可能かもしれません。

ただし、形とサイズに関してはかなり色々ありますので、完全に同一なものとなると見つけるのは困難になります。結局、色を同じにして見た目の違和感をなくす方法で修理するか、形とサイズを同じして、使用時の利便性を優先するかという二択を迫られることにはなると思います。

ちなみに、車などでこの色は乗り換えやすい、この色は売れないから乗りつぶさないといけないという事があるとおもいますが、傘の場合はとにかくシルバー系のパーツか黒系のパーツであれば代替物がすぐに見つかりやすく、それ以外のものは本当に手に入れるのが難しいです。そのため、修理して長く使い続ける事を考慮されるのであれば、露先に至るまで骨やその他パーツが全てシルバー系統一、もしくは黒系統一で行くとコストをあまりかけずに持続可能性の高い傘ライフを過ごすことが出来るとは思います。

また、露先には木や竹などの素材を使っているもの、プラスチックを使っているものもあります。木は竹に比べて単価が安く出回っている色も数色なので同一のものに巡り合える可能性はそこそこありますが、木を扱っている傘が少ないので、修理屋さんがわざわざこのパーツを持っていることはほぼないと思われます。また、プラスチックは黒などの基本色を除けば同じ色に巡り合う可能性はほとんどないと言って良いと思いますので、代替物で我慢することになりやすいです。そして竹はもともと自然なものですから同じものなどあり得ませんので、似たものを付けるのが最善という事になります。

以上のような状況になっておりますので、基本的に露先は違和感のない範囲で似たような代替物を付けるというのがコスト的には良いと思われます。