傘はいまから4000年前も昔からあったと言われていますが、世界にも日本にも傘をテーマにしたお祭りがいろいろとありますので紹介します。
色鮮やかな傘が町中を彩っている光景は非日常的で、旅行気分が高まること間違いなしです。
【傘イベント】各地で繰り広げられる「傘のお祭り」の魅力について
アンブレラ祭り アンブレラ スカイ プロジェクト
ポルトガル中部にある町、アゲダで行われる芸術祭の一つは、アーケードや町中にたくさんのカラフルな傘が飾りつけられるイベントです。
映像に映える美しい光景で、2010年から始まった傘祭りは、今ではメインのイベントとして広く知られています。
日本国内でも「アンブレラスカイ」という名前で同様のイベントが様々な場所で開催されています。
アンブレラ スカイ プロジェクト:https://www.impactplan.pt/en/umbrella-sky-project/
ボーサーン傘祭り&サンカンペーン工芸品フェスティバル
タイのチェンマイ県ボーサーン村で、毎年1月に行われるお祭りが1984年に始まりました。
この村は昔から紙漉きから骨組み、紙張り、色・模様・油塗りなどの伝統的な方法で200年前から傘を生産してきた地域です。
祭りの期間中は、村の至るところで鮮やかな傘が飾られ、美しい風景が広がります。
タイ国政府観光庁日本事務所タイ観光案内サイト
https://www.thailandtravel.or.jp/bo-sang-umbrella-festival/
山鹿灯籠浪漫・百華百彩
熊本県山鹿市で冬に開催されるイベントです。
このイベントでは、豊前街道の古き良き町並みを和傘や竹を使ったオブジェが鮮やかに彩り、数千もの蝋燭の灯りが夜の街並みを幻想的な世界に変えています。
山鹿はもともと和傘の大産地であり、かつての賑やかさを再現したいという思いから、このイベントは2002年に始まりました。
山鹿灯籠浪漫・百華百彩実行委員会(山鹿温泉観光協会)https://yamaga100.com/
曽我の傘焼き祭り
神奈川県小田原市で5月に行われるお祭りです。
日本三大仇討ちの一つである曽我物語にちなんだもので、曽我十郎・五郎兄弟が父の仇を討つ際に、傘を燃やして松明にしたという故事に由来しています。
祭りのハイライトは「傘焼き神事」と呼ばれ、祈祷傘が燃やされます。
これは、曽我十郎・五郎兄弟が父の仇を討つ際に、傘を燃やして松明にしたことに由来しており、願い(敵討ち)を傘に託す行事です。「願いごとを傘に書いて焚き上げて成就を願う」という意味を込めています。
このお祭りは、曽我物語の歴史と伝統を感じることができる大変魅力的なイベントです。
曽我兄弟遺跡保存会ホームページ:https://kasayaki.com/
曽我どんの傘焼き
鹿児島三大行事の中でも一つ、江戸時代に薩摩藩が独自に実施していた「郷中(ごじゅう)教育」の一環として始まったお祭りです。
この教育では、武士としての教養、人徳、武芸などを学ぶ際に曽我兄弟の話が使われたことから「傘焼き」が生まれました。
鎌倉時代に曽我兄弟が父の仇討ちを遂げる際に、たいまつの代わりに雨傘を燃やして夜討ちをしたという逸話に由来しています。
祭りの当日は、甲突川の河原に積み上げられた和傘が燃え上がり、その迫力に満ちた様子が見ものとなっています。
傘焼きのイベントでは、薩摩の傘踊りや詩吟、剣舞、薬丸野太刀自顕流の演舞など、伝統的な行事が行われます。
古くから伝わる習わしを感じることができる素晴らしいお祭りとなっています。
鳥取しゃんしゃん祭り
鳥取市で秋に行われるお祭りで、しゃんしゃん傘と呼ばれる特別な飾りがついた傘を使って4000人以上が踊ります。
このお祭りはもともと鳥取県東部地方に古くから伝わる「因幡の傘踊り」を、誰でも簡単に踊れるようにアレンジしました。
そして、昭和40年に鳥取祭に取り入れられ、同時に祭りの名称も「鳥取しゃんしゃん祭り」に変更されました。この踊りはしゃんしゃん傘を使って踊る、鳥取市の秋の風物詩となっています。
鳥取しゃんしゃん祭り公式サイト:https://tottori-shanshan.jp/
からかさ万灯
8月15日夜、茨城県土浦市の鷲神社で「からかさ万灯」という国選択・県指定の無形民俗文化財の祭りが行われます。
この祭りは江戸時代中期ごろから続く雨乞いの神事で、五穀豊穣や平和・家内安全を祈願するものです。祭りでは、直径5メートル、高さ6メートルの大きな傘に花火が仕掛けられ、点火されます。
直径5メートル、高さ6メートルの大傘が綱火によって点火されると、鮮やかな火花が雨のように降り注ぐ光景が見られます。
その迫力ある光景は見応えがあります。この祭りは土浦市の夏の風物詩として、地域の人々に親しまれています。
文化庁 文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/189022
まとめ
傘をテーマとしたお祭りについて世界と日本のいくつかを紹介しました。
傘自体は日常で使われる道具ですが、それが祭りという非日常の場で中心的な役割を占めるというのも面白いところですね。
祭りは地域それぞれに伝わっているもので、その地域外には伝わっていないこともあるかと思います。
それぞれの地の歴史や伝統に基づいた祭りを現地へ訪れて体験してみてはいかがでしょうか。
また、今回ご紹介した祭りの他にもまだまだ傘を使った祭りがあると思います。ぜひご存じの方は情報をお寄せいただければと思います。