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世代を結ぶ愛 祖父母を敬いながら、 世界の「敬老の日」

日本では9月の第3月曜日が「敬老の日」です。この日は年配の方々を敬い感謝を伝える日ですが、実際に気持ちを伝えることはしていますか?
母の日は5月の第2日曜日、父の日は6月の第3日曜日にありますが、祖父母にも長く元気でいていただくために顔を見ながら話をされてはいかがでしょうか。
そんな「敬老の日」の由来と、世界の国々にもある祖父母に感謝を伝える記念日について紹介します。

日本の「敬老の日」の由来

「敬老の日」の発祥は兵庫県多可郡野間谷村(現在の多可町)で、戦争で子供たちを送り出し、精神的に疲労していた親たちの想いに応えるため敬老会を催した「としよりの日」という提唱にさかのぼります。

昭和22年に、お年寄りを大切にし、彼らの知恵を生かした村作りをするために、農閑期である気候の良い9月15日を「としよりの日」と定めました。
この考えは昭和25年には兵庫県全体に広まり、その後全国に広がっていきました。

昭和39年には「としよりの日」から「老人の日」と改称され、昭和41年に国民の祝日として「敬老の日」となりました。敬老の日は、「多年にわたり社会に貢献した高齢者を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。

また、平成15年からはハッピーマンデー制度の導入に伴い、敬老の日は9月の第3月曜日に変更されました。

世界の敬老の日を6つ紹介

アメリカの「祖父母の日」

1978年、ジミー・カーター大統領は、レイバー・デー(労働者の日、9月の第一月曜日)の次の日曜日を祖父母の日とする法案にサインしました。
この法案の制定には、ジョージア州アトランタ在住の65歳のマイケル・ゴールドガーが7年間の努力を重ねました。1973年に養護老人ホームを訪れた際、そこにいるお年寄りたちが祖父母に当たる人たちであり、子供たちには元気な子供(孫)がいるにもかかわらず、一緒に暮らすことよりも独立した生活を望んでいることを知りました。
ゴールドガーは祖父母の存在が大切であり、その経験に基づく知恵が尊敬されるべきだと感じ、祖父母の日を作るための運動を始めることを決めました。1万1千ドルを貯金し、ワシントンの立法議会法案受付窓口を何度も訪れました。
そして、24年後の1978年に「年輩の人を敬う日」「孫が祖父母に対し感謝・尊敬の意をあらわす日」として正式に制定されました。

アメリカの「National Grandparents' Day(祖父母の日)」は、日本の敬老の日と同様に、孫が祖父母に感謝の気持ちや尊敬の気持ちを伝える機会とされています。
アメリカでは、この日には家族が集まり、楽しい時間を過ごすことが一般的です。グリーティングカードや花束・アレンジメントがプレゼントとして贈られることもあります。アメリカの定番の花は勿忘草(Forget-Me-Not)とされています。

ただし、アメリカ全土で敬老の日が一斉に行われているわけではありません。州によって定着度合いが異なるため、まだ完全に定着していない地域もあります。
実際に「National Grandparents' Day(祖父母の日)」は1978年に制定された比較的新しい祝日であり、アメリカ全体で浸透しているとは言えません。
しかし、家族が一緒に集まる日として親しまれていることも多く、将来的にはより広く認知される可能性があります。

イタリアの「敬老の日」

イタリアでも、祖父母や高齢者への感謝の日として10月2日に敬老の日が制定されています。
この日は、祖父母や高齢者が社会に果たす役割に感謝し、敬意を示す日とされています。しかし、日本のように祝日としては制定されておらず、特にギフトを贈るなどの具体的な風習は一般的ではありません。

また、カトリックの信仰においては、7月26日はマリア様の父であるヨアキム様と母アンナ様に捧げられた日であり、敬老の日として祝われることもあります。ただし、こちらは地域によって異なり、一部ではお祭りのようなイベントや祈りを捧げる行事が行われることがあります。

イタリアでは、年に2回も高齢者や祖父母への感謝を伝える日があることがわかります。敬老の日は、社会的に高齢者への敬意を示す機会として重要視されています。

ポーランドの「祖母の日」「祖父の日」

ポーランドでは祖母の日を1月21日、祖父の日を1月22日と敬老の日が分かれています。
日本と同じように食事会やメッセージカード、花束・アレンジメントを贈りますが、どちらも日本とは違い祝日ではありません。

イギリスの敬老の日

イギリスでは敬老の日はないそうですが、申請をすることで100歳・105歳の誕生日以降は、毎年女王陛下から祝いの電報が届くのだそう。
敬老の日として特定の記念日はないようですが、高齢者を大切にする気持ちは伝わってきますよね。

中国の高齢者の日

中国において、旧暦の9月9日は「重陽節(ちょうようせつ)」と呼ばれる祭日です。この日は古代の「易経」において数字の9が「陽数(奇数)」とされていることから、9が2つ重なることに由来しています。
「重陽節」は戦国時代から存在し、中国古代の風習として定着しました。特に漢朝時代から盛んになりました。この祭日は「茱萸節(しゅゆせつ)」とも呼ばれており、長い歴史を持つことがわかります。

2013年には、「重陽節」が中国の高齢者の日として定められました。これは、「9」という数字が中国語の「久」と同じ発音で、「永久・長寿」という意味を持つためです。ただし、高齢者の日として祝日になっているわけではなく、中国全体で広く祝われるようになった歴史はまだそれほど長くありません。
現在でも「重陽節」の間には、高地へ行ったり山登りをしたり、菊の花を観賞したり、重陽の蒸し菓子を食べたりするなど、伝統的な行事が行われます。
また、この日は中国各地でお年寄りのためのさまざまな行事が行われ、敬老の意識を高める機会となっています。

韓国の「老人の日」

韓国でも10月2日は「老人の日」として定められています。
しかし、韓国では普段から「高齢者を敬うのは当たり前」という思想が強く浸透しているため、特別な風習やプレゼントをする習慣はありません。
韓国では儒教の教えが根付いており、目上の方を敬う「仁」の思想が重要視されています。そのため、韓国では日常生活の中で高齢者に対する敬意を持ち、感謝の気持ちを常に持って過ごすことが一般的です。
例えば、バスや電車では目上の方が乗ってきたらすぐに席を譲るのが当たり前です。家に帰ったらまず祖父母に挨拶をし、食事も祖父が箸を持ってから始まります。また、お酒を飲む際には目を合わせず、必ず横を向いて飲むのが一般的な風習です。喫煙も祖父母の前では禁止されており、他人が喫煙しているのが見えないように配慮するのが当然の礼儀とされています。
韓国では、日本とは異なる風習が日常生活に存在しており、高齢者への敬意や礼儀を重んじる文化が根付いていることがわかります。敬老の日として特定の日を設けるよりも、韓国では日頃から感謝の気持ちを持ちながら過ごすことが重要視されています。

まとめ


高齢者を敬い感謝する日について、日本の敬老の日をはじめ、アメリカ、イタリア、ポーランド、イギリス、中国、韓国の6か国では、どのようにしているかまとめてみました。多くの国では秋に記念日を設けていて、いずれの国においても高齢者に対して敬い感謝を表すことはとても大切なこととされていました。自分が今存在しているということは、両親がいて、そのまた両親がいて、さらにそのまた両親がいて・・・と上の世代とつながっていることはどの国・社会でも明らかなことです。

そこで、職場や近所の年配の方々も含め、自分とつながりのある年輩の方々へこの機会にプレゼントをしてみてはいかがでしょうか。その中でも傘でしたら外出や散歩のきっかけになりますので、体の健康をキープする一助になると思います。

傘をプレゼントすることについては
https://kasazenshu.acase.co.jp/umbrella/umbrellagift/

傘をプレゼントするときの選ぶポイントについてはこちら
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参考文献
はじまりコレクション 〈1〉 - いわゆる“起源”について パナティ,チャールズ【著】