傘論評

【無印良品】梅雨間近、注目傘レビュー 2025年話題の折りたたみ傘

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晴雨兼用 折りたたみ傘

晴雨兼用 折りたたみ傘
(無印良品親骨60cm折りたたみ傘)

傘業界25年以上の専門家がレビュアーとなり話題の折りたたみ傘を独自の視点で分析していきます。
今回は、無印良品の晴雨兼用折りたたみ傘を取り上げます。

サマリー(要約)


お勧めできる人のタイプ
同じ傘を長く使いたい人。
折りたたみ傘であっても大きな傘が欲しい人。
傘を巻く方向が気になる人。
紫外線をそこはかとなく気にする人。

お勧めできない人のタイプ
小さなカバンを使う人。
高級品志向の人。
傘をたたむ時に手間取るとイラっとする人。
たたんだ時の傘の見た目を気にする人。

評価項目について

以下の8項目について評価いたします。
評価方法は、項目ごとに基準となる点数があり、評価対象の傘の仕様によって評価(加点・減点)しています。
それぞれの項目の内容は相関しているため評価が反比例することがあります(携帯時のサイズが小さいと使用時のサイズも小さくなる、携帯性が高くなると壊れやすくなる、サイズの大きい方が価格が安くなる、など)

項目1    携帯時のサイズ長さと太さで判断、長さは短い方、太さは細い方が高評価
項目2    使用時のサイズ原則大きい方が高評価だが一定以上の大きさを超えると減点。中棒の太さが太い方が取り回しの良さから高評価。親骨の数が多いと生地面積が広くなるため高評価
項目3 軽さ軽い方が高評価
項目4     価格安い方が高評価
項目5 たたみやすさ親骨の数が多い、形状記憶、高撥水性、閉じたときの親骨のまとまりがよいと高評価、ホック式、生地の柔らかさは減点
項目6 柔剛性と強度耐風性の視点で骨の素材・構造・構成、生地の縫製によって判断
項目7    壊れにくさ使用頻度と壊れやすさの視点から骨の素材・構造・構成、生地の縫製によって判断
項目8    質感と生地機能生地の種類と加工技術の組み合わせによって判断

項目1 携帯時のサイズ

カバンの底に横たえて入るので荷物の邪魔にはならなそう

小さいポケットには入らない程度のサイズ感はある

ボトルホルダーにちょうど収まる大きさ

ペットボトルより若干長さが長いぐらい

バッグのサイズ
バッグ全体    横幅 275mm  奥行 130mm  高さ 275mm
前ポケット    横幅 200mm  奥行 30mm   高さ 165mm
ドリンクホルダー 横幅 125mm  奥行 なし     高さ 140mm

携帯時のサイズ 25.6cm B5サイズのクラッチバッグには入りませんでした。
A4サイズのバッグの横倒しでギリギリ入ります。

太さ5.4cm

① 携帯時のサイズの評価 5

たたんだ時のサイズが若干大きいため、携帯時のサイズが特徴的だとは言えません。
特にたたんだ時に思ったよりも太くなってしまう点が気になりました。

項目2 使用時のサイズ

親骨サイズ60cmと生地の半径59.5cm

② 使用時のサイズの評価 10

使用時のサイズは折りたたみ傘としては大きいサイズであり、骨の質も良く取り回しもとても良いサイズ感でした。
手元の接合部部分がカシメ式であるのが残念ですが、手元も相応に小さいので減点対象とは言えません。

項目3 軽さ

平均的な携帯電話の重さより若干重い程度の軽さ

217g

③ 軽さの評価 6

折りたたみ傘としては普通の軽さに思えますがサイズが大きいので悪くない数字といえます。

項目4 価格

税込1,990円

④ 価格の評価 9

きわめて低価格で作られているので、コスパとしては高い評価が期待されます。

項目5 たたみやすさ

秒で乱雑に巻いた場合

時間をかけて丁寧に巻いた場合

⑤ たたみ易さの評価 6

生地が若干薄手である事、丈夫さを優先したためか骨が若干広がりやすい事で、傘をたたむ時に取り扱いが難しい印象。
畳み始める際に露先を手元に入れにくいからそのように感じるのかも知れないので、次回作はこの手元部分を大きくしていただけたらなと思います。
ただし、畳む向きが右利きの人も左利きの人もどちらの人も違和感なく使えるように両対応になっている点は評価できます。

項目6 柔剛性と強度

親骨が6本なのは残念だがアルミ骨の作りは一般レベルよりも頑強

ダボの作りもしっかりしている

中棒の3段に鉄パイプを使用し強度を増している

⑥ 柔剛性と強度の評価 9

中棒の3段目が強化されている事、受骨のアルミが強化タイプであることなど随所に剛性強化のあとが見受けられます。
親骨が6本であることが唯一の減点ポイントではありますが、基本的に強度は高めに設計されています。

項目7 壊れにくさ

親骨それぞれの作りが良い

手元がネジ式なのは良いがサイズが小さ過ぎたかも

⑦ 壊れにくさの評価 9

突風以外で壊れる要因がほぼ見当たりません。
中棒の一番下の管が若干ぐらつくのが気になりますが、許容範囲かと思われます。
手元と中棒の接合がカシメタイプなのは気になりますが、手元サイズが小さいために、手元を握って使用することを前提としないのであれば、そこまで不良の原因とはなりにくいでしょう。

項目8 質感と生地機能

傘生地が若干薄いため骨が透けて見える

生地は薄いが糸の止めもしっかりしており縫製は合格点

両方に巻けるように胴ネームが両面対応となっている

⑧ 質感と生地機能の評価5

シンプルなポリエステル生地の軽量薄手タイプを採用しています。
そのため質感に乏しく高評価とはなりにくいです。
ただ、薄手の生地にしては生地のコシがそこそこある事やUV対応している事も加味してこの評価としました。
縫製に関しては可もなく不可もなくといった印象。
手元が小さすぎるためにたたんだ時の格好がやや悪いのも印象点を下げる原因になりました。

総合評価

総合評価としては、骨の品質が高く、壊れにくさが光る良い傘だと言えます。
随所に軽さを出すための工夫が見られますが、作り手の軽さ追及のコンセプトによって評価が上がる部分もあれば、その部分の反作用として評価が下がる部分もありました。
また、せっかく両利き対応でたたむ際の便利さを出しているのに、肝心の骨が広がりやすい骨を使ってしまったせいで畳みにくい事が残念です。
丈夫で良い傘なだけに、かえって弱点が目に付く評価結果となっています。

ご注意
傘全集のレビューは実際に商品を購入してレビュアーが評価しています。評価結果については購入した商品の個体特有の要因があるかもしれませんので、商品全体を示していない場合がありますことをご理解ください

お勧めできる人のタイプ

同じ傘を長く使いたい人。
折りたたみ傘であっても大きな傘が欲しい人。
傘を巻く方向が気になる人。
紫外線をそこはかとなく気にする人。

お勧めできない人のタイプ

小さなカバンを使う人。
高級品志向の人。
傘をたたむ時に手間取るとイラっとする人。
たたんだ時の傘の見た目を気にする人。