傘と文化との関係

雨音とリズムが交差する瞬間!洋楽で聴く傘をテーマにした名曲集

傘は何年にもわたって多くの音楽にインスピレーションを与えてきました。
そして、クラシックな曲から現代のポップソングまで、傘は音楽のテーマとして繰り返し登場しました。
そこでは「保護」、「シェルター」、「愛」の比喩としてよく使われます。
今回はそんな傘をテーマにした海外の音楽をいくつか紹介します。気になる曲があったら、ぜひ聞いてみてください。

The Weather Girls『It's Raining Men』

最も有名な傘をテーマにした曲の 1 つは、ウェザー ガールズの「ハレルヤ・ハリケーンIt's Raining Men」です。
1982年にリリースされたこの曲は、キャッチーな歌詞と明るいメロディーが特徴で、夜の10時30分に男が空から雨のように降ってくる、用意はいい?という歌詞です。
この曲は瞬く間にヒットし、それ以来、雨の日の代表的なアンセムとなっています。

「傘は家に置いてきて!」と言ってますが、男を受け止める傘は強大なビーチパラソルくらいでないと無理ではないでしょうか。

Rihanna Feat. Jay-Z 『Umbrella』

傘をテーマにしたもう 1つの人気曲は、2007年にリリースされたリアーナの「Umbrella」です。
この曲の歌詞は、"私の傘の下に困難な時期でも大切な人を守り、支えたい“という思いを語っています。
曲中では、悪さばかりしているヤンチャなパートナーに対して、外からの攻撃である雨から守ってあげるといってます。

そんな時に使う傘は二人が入ることができる大き目の雨傘に違いないでしょう。親骨70㎝、直径100㎝くらいはあると二人でさしても濡れにくいと思います。
いつかは太陽の下で輝くことを夢見つつ、今はまだ暗闇にいて傘に入れてかくまってあげるという歌詞ですから、傘の生地の色は暗闇に紛れやすい黒色の傘でしょう。
この曲のような女性が男性を守るというタイプの歌詞はいろいろありそうですが、懐かしいところで岩崎宏美の「聖母(マドンナ)たちのララバイ」はそのひとつではないでしょうか。

Michel Legrand『シェルブールの雨傘 Les Parapluies De Cherbourg』

クラシック音楽の世界でも、傘にインスパイアされたといえる作品がいくつかあります。
注目すべき例の1つは、1964 年に映画化されたミシェル・ルグランのミュージカル「シェルブールの雨傘」です。
このミュージカルは、いろいろとカバーされ古典的なラブバラードとなった「I Will Wait for You」を含む印象的な曲を特徴としています。また、傘とミシェル・ルグランの音楽は、優雅さや洗練された美学の象徴としても共通点を持っています。

傘は、その美しいデザインや細やかな工芸品としての価値によって、身につける人々に気品と優雅さをもたらします。同様に、ミシェル・ルグランの音楽は映画音楽、ジャズ、クラシックと幅広い音楽性からくる繊細な音楽表現によって、高貴さや芸術的な価値を表しています。

Jon Brion『The Blue Umbrella』

傘にインスパイアされたもう1つのクラシック作品は、ジョン・ブライオンが 2013年の同名のディズニー ピクサー アニメーション短編映画のために作曲した一連の音楽「The Blue Umbrella」です。
音楽は、赤い傘と恋に落ちる青い傘の物語を語る映画のフワフワする魔法のようなムードを捉えています。この映画は、傘を擬人化して主役に置くという傘マニアにはたまらない作品となっています。
また、この曲とは別に巨匠バート・バカラックにもBlue Umbrellaという優しい上質な雰囲気の曲があり、こちらはボーカルありの曲です。

まとめ

傘は、キャッチーなポップソングからクラシカルな曲まで、長年にわたって幅広い音楽に影響を与えてきました。
傘によって雨風を防ぐところから、「保護」、「シェルター」、または「愛」のメタファーとして、傘はソングライターや作曲家のイマジネーションを促し、現在の音楽において人気のあるテーマであり続けています。
変化する世界の課題に私たちが直面し続ける中、保護と支援の象徴としての傘の象徴的な意味は、今後何年にもわたってミュージシャンやソングライターにインスピレーションを与え続けると思います。
これから生まれてくる傘をテーマにした名曲が楽しみですね。

※傘をテーマにした曲について邦楽版を紹介した記事です。
「傘と音楽のマリアージュ!邦楽で聴く傘をテーマにした名曲集」