植物の葉っぱを傘にした絵を見たことはありますか?
鳥獣戯画に出てくるカエルやとなりのトトロなど、思い浮かぶものがあるかと思います。
葉っぱを傘代わりにするモチーフはいろいろなところで見られるように、植物と傘は親和性が高いのかもしれません。
実際に傘と関連した名前を持つ植物がいくつかあります。それらを並べてみて、何か共通するところがあるものか、見てみたいと思います。
傘のあれこれ 植物について
ヤブレガサ
ヤブレガサモドキ
キク科ヤブレガサ属の植物です。草丈は1~1.2mの多年草です。
下部の葉は楯状につき、円形で、径20~30㎝。掌状に6~8深裂、裂片はしばしば2裂し、縁はわずかに鋸歯があるか全縁です。
ヤブレガサによく似ていますが、ヤブレガサの花が円錐状につく(上部は尖る)のに対し、この花は散房状(逆三角形で上部は平になる)につくという違いがあります。
傘としては、こちらもヤブレガサ同様かなりボロボロになった傘で雨の日には使えそうもないですね。
いわがさ ( 岩傘 )
オオカサモチ( 大傘持 )
タマガサノキ( 玉傘木 )
ツピタンサス( アンブレラツリー )
ツピダンサスはウコギ科シェフレラ属の植物で、アッサムからマレー半島の熱帯アジアが原産の常緑小高木です。
原産地の熱帯アジアで自生しているツピダンサスは、かなり大きいです。学名はシェフレラ・プエクレリと言います。
かつてはツピダンサス属に分類され、旧学名がツピダンサス・カリプトラツスだったことから、現在は一般的にツピダンサスと呼ばれています。
ツピダンサスの葉はやや厚く、大き目の掌状葉で、綺麗な艶のある濃緑色をしているのが特徴です。葉の形が不思議なほど規則的に、丸い放射線状に葉がついて傘の形をしているところからアンブレラ・ツリーと呼ばれています。
別名:インドヤツデ、アンブレラツリー、チュピタンサス
ハナフカノキ 花鱶木( アンブレラ・ツリー )
コウヤマキ( 高野槙 )アンブレラパイン
カサノリ( 海藻 )
カサノリ科の海藻。石灰質で覆われた白色の針状の柄(え)の頂端に緑色の小円盤をつけ、日傘を広げたような体形を呈するのでこの名があります。
全長5cm内外、傘の直径1センチメートルぐらいのものが多く、皿回しの皿と棒を連想させる形態で,何本も叢生します。
暖海性で九州南端から琉球列島に分布し、死サンゴ体片上に群生し、遠浅の砂浜やサンゴ礁内の潮だまり(タイドプール)などで冬から春ないし初夏にかけて繁茂します。
また、カサノリの仲間で一回り小さい「ホソエガサ」があります。
英名「Mermaid’s Wineglass~人魚のワイングラス」の名がついてます。絶滅危惧に指定、全長3cmほどの小型の海藻で傘を開いたような形が特徴的です。
ピクシーズパラソル( クヌギタケ属 )
カラカサタケ(唐傘茸)
ハラタケ科カラカサタケ属の大きなキノコで、世界中に分布しています。夏から秋にかけて、雑木林や公園の草むらなどに生えます。
和名の由来は、傘が開いたときに唐傘が開いたように見えるからとされます。加熱すれば食べられますが、生食は毒です。
常に高さは30cm以上、傘の直径は8~30cmになります。表面の色は淡い褐色、その上に表皮が破れてできた濃褐色の鱗片があります。
カラカサタケは傘が開く前の“つぼみ”(卵型から丸型)のまま柄がどんどん伸びていきます。そしてある一定まで生長して傘が開いた成熟状態になると、唐傘そっくりの形になり、ます。
外観が類似する猛毒種があります。コカラカサタケ、オオシロカラカサタケやドクキツネノカラカサ、ドクカラカサタケです。