最初に書いておかなくてはいけないのは、この手の傘に使われている生地は人間が降下するのに使用するパラシュートにつかっているものと同等なわけではないという事です。
ではなぜその言葉が使われるのかと言いますと、その言葉が間違った事だけを伝えるわけではない事、広告だから消費者の勘違いをわざわざ否定することがない事、その効果を最大限に生かしたいという事が根底にあるからです。
この事はよく誤解されているようですので、最初に断っておきたいと思います。
さて、「パラシュート生地」を正しく表現するならば「パラシュートに使用している技術を用いた生地」ということになります。そして文章を少なく表現したい広告では、ここまでいちいち書かないのが一般的なのかも知れません。しかし会社によっては製品説明にきちんと「パラシュートが破けないようにするためにこのような技術を用いているのがこの生地の特徴で、この傘はそのような技術を用いた生地を使用して作られています」と説明がなされているので、説明しない会社は意図的だと思われても仕方ないかも知れません。
さて、ちょっと下げ気味な書き方をしてしまいましたが、パラシュートに使用している技術を用いた生地は非常に良い生地です。分かりやすく言えば薄くて軽くて丈夫なので、携帯性を重要視する傘の素材としてはこれほど良いものも中々ありません。
特に折りたたむタイプの傘との相性は抜群であり、軽量をうたうミニ傘などには積極的に採用されている生地だったりします。また長傘と同じ量を使用するのであれば、コスト的には高くつくはずなのですが、ミニ傘は傘生地使用量が長傘の7割前後で済むということもあり、結果としてコスパが良いケースも多くみられます。
欠点としては格子状の凹凸が生地表面に浮き出るため、テクスチャにデザインのある傘生地と組み合わせる時に、そのデザインと凹凸が喧嘩する可能性があるという事があげられます。高級感のある織物生地との相性もちょっと難しいかなと思いますが、優れた機能があるので、デザインを多少損ねても使用するだけの値打ちはありそうです。
ただ、イメージとは違って絶対に破れない、穴が開かない、裂けないというわけではないので、その点もご注意いただけたらと思う次第です。というのは、あくまでも生地がそうであと言うだけで、縫製技術もパラシュートと同じ技術で縫製しているわけではないからです。
以上、「パラシュート生地使用の傘は良いものだが、勘違いには注意してください」というお話でした。