傘を解析する

傘立て探訪 日常の隅に潜む秘密とは?

皆さん、家で傘はどこに置いてますか?
折りたたみ傘でしたら棚や収納ボックスなどにしまっておく場合もありますが、長傘の場合は傘立て(傘置き)に置いているのではないでしょうか。
本なら本棚、食べ物なら冷蔵庫、靴なら靴箱のように傘立ては傘にとってペアとなる、なくてはならないものです。
そんな傘立てについて、傘マニアの立場からお伝えします。

1. 傘立ての選び方

お気に入りの傘を置く傘立てにもこだわりたいところです。
こだわりの傘立てに出会うためにどのようなところを注意したらいいのでしょうか?

① 設置場所で選ぶ

多くの場合は傘立てを玄関の近くに設置しているのではないでしょうか。
「これから外出する」というときにすぐに手にすることができ、外出から帰ってきたときに雨をポタポタさせずにすぐに置くことができるからです。
玄関の外と中のどちらに置くかによって選び方は変わってくるはずです。

② 収納本数で選ぶ

同居している人数や来客の頻度にもよりますが、一般に傘立ての適正な収納本数は家族分プラス2本といわれています。
傘立てには、1本立てのタイプから会社など公共の場所に設置するような何十本も置けるものまでいろいろな種類があります。
あまりギュウギュウに傘を置くのは傘自体を痛めてしまいますので、余裕をもって置けるくらいのタイプがおすすめです。

③ デザイン

玄関は来客した方が最初に目にするところです。
玄関は、風水でも「気が流れてくる大切な場所」といわれていますので、傘立てもすっきりとおしゃれに置きたいものです。
デザインは様々なタイプのものがありますので、ご自身の好みに合わせて気に入ったものをチョイスしてください。

④ 排水性

雨の日に使った傘を傘立てに置いた場合、当然雨水が下に溜まってきます。
雨水が溜まってきたときにどのようになるか、をイメージしてみましょう。
水が溜まったトレーを取り外して水を捨てることができるタイプもあります。
また、濡れた傘は干したり拭いたりして乾いた状態になってからたたんで収納すると、長持ちする上に乾かさずにしまったときに発生する生乾きによる嫌な臭いはしなくなります。

⑤ 省スペース

あまり広くない玄関の場合、限られた玄関スペースに邪魔にならないように設置する必要があります。また、傘を置くときはきちんと閉じておかないとかさばってしまいます。
きちんと畳んでしまう習慣をつけてスッキリと収納しましょう。

⑥ 中が見えるもの

傘立てに入っている傘が見えると、間違えて持つことが無くなります。雨の日に「間違えて日傘をもってきてしまった」や、「子供の小さい傘を持ってきてしまった」、といった失敗をしなくなります。

⑦ 形状

筒形(差し込み)タイプ

上から見て丸型や四角型などいろいろな種類はありますが、上から傘をスポッと差し入れるタイプです。

ハンガー(吊り下げ)タイプ

タオル掛けのように壁に棒を設置してそこに傘のハンドルをかけるタイプです。
幅を取らないタイプです。

マグネットタイプ

2,3本分の傘を設置できるコンパクトなタイプです。マグネットで扉などに接着させて使用します。

⑧ 素材

ステンレス、アイアン、スチール製

金属ですので細かい加工や造形が可能です。表面加工により光沢のある仕上げのものもあります。

陶器

陶器としては大きなサイズになりますので、存在感があります。また陶芸で有名な産地のものやスタイリッシュなタイプのものなど様々な種類があります。錆びずに耐久性が高く、重量もあるので倒れにくいです。

珪藻土

珪藻土の速乾性と吸水性を利用して水受け部分に使用されているタイプです。雨水の処理も手間なしです。
また珪藻土には防臭効果もありますので、玄関周りのにおい対策も兼ねることができます。

木製

木目を生かしたナチュラルなタイプが多いです。
周囲の木材を使用した家具とのバランスを考えて選ぶのはいかがでしょうか。

ポリストーン製

ポリストーンとは、石の粉に合成樹脂を混ぜて作られた素材です。
傘立ての場合は傘の先端部分を挿すタイプが多く、おしゃれでコンパクト、重量感があるのが特徴です。

2.傘置きの際の注意

棚や靴箱に傘のハンドルの先端をひっかけ(支点にして)置いている場合があるかと思いますが、ハンドルの素材によっては曲がっている向き(角度)が戻ってしまうことがあります。
高級傘に使用される天然樹のハンドルの場合、熱を入れて曲げ加工したハンドルに力が加わることで元の形に戻ろうとします。
このハンドルが元の形に戻ろうとして開いてしまう現象を「あくび」と呼んでいます。
このような状態にならないように、傘を置くときはハンドルの先端をひっかけずに傘立てに置くようにしましょう。

3.折りたたみ傘用傘立て

また、折りたたみ傘用の傘立てもあります。
折りたたんだ短い状態でも置くことができるタイプで、長傘用の傘立てに追加設置するタイプもあります。
日本では外国と異なり長傘(多くはビニール傘)を使用している人の方が多いですが、折り畳み傘用の傘立てが増えると日本でも折りたたみ傘を使用する人の割合がもっと増えるかもしれないですね。

まとめ

傘の相方、「傘立て」について、設置場所、収納本数、デザイン、排水性、省スペース、中が見えるもの、形状、素材、からどのように選べばいいかポイントをお伝えしました。
また、天根素材の手元の傘を置くときの注意や折りたたみ傘専用の傘置きについても紹介しました。

お気に入りの傘立てを用意したら、そこにピッタリと合うお気に入りの傘を置いてください。
普段から玄関を出入りする際にチラリと見たり、実際に日傘や雨傘を使うとき、今まで以上に楽しくなるに違いありません。