日傘の機能の中でかなり重要視されているものとして、紫外線カット、UVカットというもがあります。
実は、ここ50年の中で日傘に付いた最初の機能はこのUVカット機能です。今現在では、遮光機能や遮熱機能、中には送風機能などと言うものまで出てきていているのですが、日傘における最初の機能表示はUVカットでした。
意外に思われるかもしれませんが、現在の傘の先祖は日傘です。そしてその日傘は長い間、布を張った現在の形が出来てからずっと変化することはありませんでした。とにかく太陽光を布で遮ることで少しでも涼やかに過ごすことが出来ればそれで目的を果たすことが出来ていたからです。
ところが日本において色白を良いとする文化がある中で、西洋日傘が日本に入って以降、日傘は日焼けから肌を守る目的で使用されるようになっていきます。日よけではなく日焼け避けという事ですね。ただ日傘に関しては、1920年頃には商品化されていたという日焼け止めクリームほどには日傘の日焼け防止商品化の流れは出来ていませんでした。
紫外線が日焼けの原因だと特定され、対処方法として紫外線を吸収するか拡散すれば良いとなるのは軍事目的の研究からとされています。そして傘生地に使われる糸にUVカットのための成分が練りこまれたり、生地にUVカットの成分が塗布されたりするようになるのは第二次世界大戦が終わるのを待たなくてはなりませんでした。
逆に言えば軍事目的で開発された技術を転用するほど、当時の人々に美白効果のあるUVカット機能は刺さったとも言えるのです。もちろん美容に関して常に美白だけが流行したわけではなく、日焼けと美白は交互に流行してきたので、UVカットが流行る時期、流行らない時期はありましたが、人々が日傘に付けたかった最初の機能はUVカットになったわけです。
その後、日傘にとってのUVカット機能は現在ではあまり取りざたされてはいません。なぜなら今皆がカットしたいと考えているものは可視光線と赤外線を含むからです。要するに太陽光線すべてを防ぎたいのだから、紫外線の話だけをしても意味がないという事になってきています。今後、地球が氷河期にでもならない限り、UVカットが話題になることは無いのかもしれませんね。