みなさんは天気予報を毎日見てますか?
天気がどうなるかによって、「外出の予定をどうする?」 「何を着ていく?」 「洗濯物を干す?」 「傘を持っていく?」 「水まきをするか?」 「仕事や授業の予定はどうなる?」 などいろいろなことに関わってきます。そのため、天気予報をきちんとチェックしている方は多いのではないでしょうか。
傘を扱う者として、皆さんが傘を忘れて雨に濡れてしまうことがないように、改めて天気予報がどのように作られるのかを紹介したいと思います。
【天気予報完全ガイド】雨に備えて折りたたみ傘必携の一日を見極めよう!
今日傘いる?が知りたいとき
ちなみに、今日は傘がいるか確認したいときは次のサイトでチェックするといいですよ。
①ウエザーニュース 傘マップ https://weathernews.jp/s/topics/
②tenki.jp 傘指数 日本気象協会 https://tenki.jp/indexes/umbrella/
③tenki.jp 日直予報士主任による「傘予報 お帰り時間」 日本気象協会 https://tenki.jp/forecaster/deskpart/
気象観測とは
気象観測とは、空気の状態や変化を調べることです。気象観測には、地上にある温度計や湿度計、気圧計、風速計などの機器や、空に飛ばす気球やロケット、雲や雨を見るレーダーや衛星などの装置が使われます。
これらの観測データは、気象庁や民間の天気予報会社などで分析され、飛行機や船などの交通の安全や、農業や工業などの生産活動に役立てられます。
さらに、地方自治体や鉄道会社、民間の気象サービス会社などでは、自分たちで気象観測をしているところもあります。
気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku/weather_obs.html
雨を降らす雨雲について、どのように動きを調べているのか?
雨雲レーダーの仕組み
雨雲レーダーは、雨の状況を知るための便利なツールです。雨雲レーダーがどうやって動くか、簡単に説明しますね。
まず、気象レーダーという装置があります。これは、空に向かって電波を送ります。電波は、空にある雨粒に当たって跳ね返ります。その跳ね返った電波を気象レーダーが受信します。
気象レーダーは、受信した電波からいろいろな情報を得られます。例えば、
・跳ね返った電波の強さから、雨粒がどのくらい大きくて濃いか
・跳ね返った電波の周波数が変わっているかどうかから、雨粒がどの方向に動いているか
これらの情報をもとに、気象レーダーは、雨の強さや位置や動きを色で表示します。これが、雨雲レーダーの画像です。
日本では、全国20カ所に気象レーダーがあります。日本は山が多いので、山に隠れてしまう場所もあります。ですから、日本全体を見渡せるように、気象レーダーをうまく配置しています。
気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/radar/kaisetsu.html
天気図 基本的な天気の予想
実況天気図と予想天気図は、気象予報士や気象学者が天気の状況や傾向を分析するために用いる重要なツールです。
実況天気図は、観測所やレーダー、衛星などから得られた気象データをもとに、現在の大気の状態や天候の分布を示す図です。実況天気図には、気圧や風向風速、温度、湿度、雲量、降水量などの情報が記されています。実況天気図を見ることで、高気圧や低気圧、前線や台風などの大気の動きや影響を把握することができます。
一方、予想天気図は、観測データをもとに、数値予報モデルや統計的手法などを用いて、将来の大気や天候の変化を予測して作成される図です。予想天気図には、12時間後、24時間後、36時間後などの時刻ごとに、実況天気図と同様の情報が記されています。予想天気図を見ることで、今後の天気の傾向や変化を予測することができます。
気圧と前線
高気圧と低気圧の違いは、中心の気流の向きにあります。高気圧は下降気流があり、雲が消えて晴れやかになります。低気圧は上昇気流があり、雲が増えて雨が降りやすくなります。
前線は、寒い気団と暖かい気団がぶつかるところです。前線の種類によって、天気の変化も違います。
【寒冷前線】
寒冷前線が来ると、急に雨が強くなります。通り過ぎると、涼しくなります。
【温暖前線】
温暖前線が来ると、じわじわと雨が降ります。通り過ぎると、暖かくなります。
【閉塞前線】
閉塞前線が来ると、風が強くなり、激しい雨が降ります。
【停滞前線】
停滞前線は、寒い気団と暖かい気団が同じくらい強いです。だから、長く雨が続きます。梅雨みたいですね。
「降雨量」と「降水量」の違い
「降雨量」と「降水量」は、気象学の用語としてよく使われますが、その意味はどう違うのでしょうか。
一般的に、降雨量とは雨のみが降ったときの水の量を示すもので、単位はミリメートルです。一方、降水量とは雨だけでなく、雪やあられなども含めたときの水の量を示すもので、こちらも単位はミリメートルです。
しかし、降水量は雪やあられなどを液体に変えたときの水の量を表すため、実際に降った物質の量とは異なります。例えば、1センチメートルの雪が降った場合、それを液体に変えると約1ミリメートルの水になりますが、これを降水量として計算します。
したがって、降雨量と降水量は同じ雨量計で測定されるものですが、その定義や計算方法に違いがあることが分かります。
降水確率について
降水確率とは、ある地域で降水が発生する確率をパーセントで表したものです。降水確率は、降水の量や強さを示すものではなく、1㎜以上の雨や雪が観測されるかどうかを基準にしています。
降水確率0%という予報は、実際には降水確率が5%よりも小さい場合に出されるもので、絶対に降水がないという意味ではありません。
気象庁が発表している降水の有無の予報精度(以下、適中率と呼ぶ)は、全国平均で83%程度であり、地方ごとに見ると78~85%の範囲にあります。季節的には春と秋が高く、夏が低い傾向があります。特に北海道と沖縄は他の地方よりも適中率が低いです。
夏の適中率が低い理由は、局地的な降水が多いことにあります。夕立などの短時間で激しく降る雨や雪は、予測するのが難しいだけでなく、予報対象領域の一部にしか影響しないことが多いです。たとえば、予報対象領域の60%に降水があったとしても、「降水あり」と予報した場合、適中率は60%しかなりません。このように、夏の降水確率は注意して見る必要があります。
気象レーダー以外の観測機
気象衛星は、地球の大気や海洋の状態を観測するために静止軌道に打ち上げられた人工衛星です。気象衛星は、雲や水蒸気、海氷などの分布を可視光や赤外線などの電磁波を使って検出します。
気象衛星から送られるデータは、天気予報や気候変動の研究に欠かせません。特に、台風やハリケーンなどの強い熱帯低気圧の発生や進路を追跡するのに重要な役割を果たしています。気象衛星は、地上の観測所から得られるデータと組み合わせて、より正確な天気図や数値予報モデルを作成するのにも利用されています。
日本では、1977年から「ひまわり」シリーズの気象衛星を運用しています。「ひまわり」は、地球の全球を10分間隔で観測することができる高性能なセンサーを搭載しており、日本だけでなくアジア太平洋地域の気象情報の提供に貢献しています。
「ひまわり」は、他国の気象衛星と協力して、地球全体の観測ネットワークを構成しています。
世界の気象衛星観測網
世界気象機関(WMO)は、世界気象監視計画(WWW)の一環として、世界気象衛星観測網を運用しています。この観測網は、複数の静止気象衛星と数個の極軌道気象衛星から成り立っており、地球の気象状況をリアルタイムで監視しています。
日本は、この観測網の中で、アジア、オセアニア及び西太平洋地域の観測を担当しており、1978年から現在まで、「ひまわり」シリーズの気象衛星による高品質な観測を続けています。
気象衛星センター https://www.data.jma.go.jp/mscweb/ja/general/www.html
アメダス
アメダスとは、自動気象観測システムのことで、地域の気象状況を詳細に把握するために設置されている観測所です。
アメダスは、降水量、風向・風速、気温、湿度などの気象要素を自動的に測定し、気象災害の予防や軽減に貢献しています。
アメダスは1974年に始まり、現在では全国に約1,300か所の降水量観測所があります(約17kmごと)。 その中で、約840か所では風向・風速、気温、湿度も観測しており、雪が多い地域では約330か所で積雪深も観測しています。
気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/amedas/kaisetsu.html
まとめ
計測の方法が発達したおかげで、天気予報も以前に比べてかなり狭い範囲でもわかるようになってきました。
最初に紹介しましたが、インターネット上で簡単に調べることができるので傘が必要かどうかなど便利に活用している方も多いと思います。
急な雨でも困らないようできるだけ天気予報を確認しておくとともに、お気に入りの携帯用の傘を持っておくと雨に対する心配は少なくなると思います。
あわせて気温や晴れの度合いも確認しておくと、日傘や晴雨兼用傘の必要性もわかりますね。