映画やドラマに使用される傘のうち、アクション映画や少年漫画などに使用される傘はたいていが攻撃用であったりします。並の人間には持ち上げられないような番傘を振り回しぶん殴るものや、傘の柄に仕込まれた仕込み刀で戦う物、広げた傘を高速回転させて攻撃するものなど様々です。イメージとしては小学生に傘を持たせると始めてしまう事があるチャンバラ遊びの使い方といったころでしょうか。
また、もう少し過激なものになりますと、傘に銃や飛び出しナイフなどが仕込まれている場合もあります。ここまで来ますと武器のような傘ではなく傘型の兵器となってしまいますね。ですが、実際のところこれらは現実にあるものを誇張しただけで、このような武器に近いものは色々と存在したようです。
反対に傘を防御用に使用するアクションもあります。パターンとしては傘生地ではなく鉄板のような鋼鉄で傘の生地部分が作られているものや、防弾ベストなどに用いられるような特殊な糸で編み上げられた生地を使用しているものなどが物語の中で登場します。中には現代科学では作れそうもない透明なのに弾丸をからめとってしまうような生地が出てきたりもします。こちらに関しても現実に防刃生地を使用した傘が存在していることから、あまりにも現実離れしているというわけではありません。
そもそも傘という存在は、空から降り注ぐ太陽光や雨などから人間の体を守ることが出来る携帯性と操作性の高い道具であることですから、盾のように防御に適していることは理にかなってはいます。
しかし、一方でこれだけ色々な形で攻撃用の武器として描かれてしまうというのは、傘を取り扱う者の立場から言うといかがなものなのかという思いもあるわけです。先述したように子供のチャンバラ遊びも原因の一つではあると思いますが、傘が危険物認定される理由の一つには日用品の中では珍しく長さのある金属製品であるという事なのかも知れません。
もちろん日用品の中にはハサミであったり、カッターナイフであったり、万年筆であったりと尖った金属製のものは数多く存在しているのですが、傘ほど長い金属製のものとなりますと一部の掃除用具、そしてほぼ傘と同形態である杖ぐらいしか存在しません(スポーツ用品は色々あるのですが)。
また、傘の負の側面として石突や露先が人に当たってけがをさせるという事も傘を攻撃的なものとみなす人が出てくる一因となっていると思われます。やはりこの点について傘はもう少し進化すべきであり、安心安全な防具としての地位を確立していく必要がありそうですね。傘全集スタッフとしては、傘がフィクションの中で防御用の描かれ方しかしない、そんな未来が来ることを心より期待するものです。