傘雑話集

個性を打ち出す道具としての傘の色

個性を打ち出す道具としての傘の色

広く一般に信じられている事であり恐らく事実である事として「現代日本人は洋服にカラフルな色を取り入れるのが得意ではない」というものがあります。

日本人の好きな色の服装は白いシャツに青系か黒系のパンツもしくはスカートとなりますが、確かにここにはカラフルな要素はないと言って差し支えなさそうです。まずは白が大好きであるというのが特徴としてあげられると思いますが、これは一番重要なことは清潔さであると考える日本人ならではかも知れません。

海外で暮らした経験のある方であればなんとなく感じるかも知れないのですが、そもそも部屋の壁が多くの場合は白というのは日本ならではの事象なのではないでしょうか?日本以外の国においては、壁紙は色々な色でいろいろな柄のものがあるのですが、日本の壁紙には白、ベージュ系のものが多く、柄の代わりに多彩な凹凸があるのが一般的です。つまり、色そのものではなく、そのでこぼこの違いで個性の違いをアピールしているというわけです。

それと同じことが洋服の下半身部分にも当てはまります。同じ青系でも良く見ると細かい生地の編み方が違う物、数センチ間隔で細かい糸が刺してあるものなど、地味ではあっても決して単色ではありません。また上半身の白いシャツでもただの真っ白ではなく色々な凹凸が採用されていたりします。このように現代日本人は質感にはこだわるのですが、色数が増えたりすることを基本的に好まない傾向にあります。

しかし、傘の色となるとどうなるのでしょうか?
実際のところ、雨傘に関しては洋服に比べてかなりカラフルな傘であっても、ちゃんと販売実績があるという事が分かっています。とはいっても特に赤系の傘が好まれているという事ではあるのですが。

なぜそうなってしまうのかと言いますと、大雑把に色を分類する際に、赤系、青系、黄色系と分けたとき、黄色系は児童の傘に良くもちいられるためか、大人で黄色い傘を欲しいという人はどうも少ないようです。同様に、水色や黄緑、ピンクの傘も若干売れにくいようで、このあたりも児童傘の配色に近いからではないかと推察されます。そして、これらの色を避けた色であれば、様々な色の傘がちゃんと生産され販売されていますし、必然的に地味ではない色としては赤系が多く好まれているという事になっています。

憂鬱な気分になる雨の日に少しでも心が晴れるようにと考えてカラフルな傘と言う選択が行われているという事なのでしょうか?それとも洋服では表現したくないので、傘と言うアイテムで気分を高揚させるために、傘だけはカラフルなものを使用されているという事なのでしょうか?また、傘は外出時に使う物という事もあり、気合が入っているときにはカラフルなものを持ちたいという事なのだとも考えられます。

何にせよ、洋服選択においては地味カラーを選びがちな日本人が傘に関してはこだわりのカラーをよく選ぶという事は興味深いことだなと思われますね。