傘を取り巻く環境

盗られたくない!傘の盗難防止策を紹介

傘を取り巻く環境
私はこれまでに何度も傘を失くしたことがあります。
皆さんも傘を無くしたことは、一度はあるのではないでしょうか。電車やお店などに置き忘れてしまうこともありますし、置いていた傘を誰かに持っていかれてしまうこともあるかと思います。

とっても残念なことですが、傘の盗難は頻発しています。それに困った人たちがいろいろな対策を考えてネットで紹介していますので、それらの一部を紹介します。

1.個人でできる対策

(1)傘の手元に加工する方法
ア.シール系
・名前シールを貼って他人の所有物であるという意識付けをする。

・「警視庁」「警察署」や実在しない「内務省警保局保安課」「首都圏治安警察機構警備部」などのシールを貼って法の順守や警察官の持ち物と思わせる。

・傘のわかりやすいところに派手な見た目の印をつけて間違いの防止と、持ち去りにくくする。

・「持ち出し禁止」「盗難防止GPS」「呪」「アラーム作動中」「お前のじゃない」「👁👁(目玉マーク)」「犯罪心理学 実験 C04」など持っていこうとした人が戸惑うようなメッセージを書いておく。

・ネットによると「科研費シール」なるものが盗難防止の効果があるとのこと。これは科学研究費補助金の略で研究をされている方がその資金を申請するともらえる紫色の科研費と書いてあるステッカーのこと。色のせいか?公的な感じを与えるせいか?

・論文「ビニール傘を盗難から守る仕掛け」によると、名前シール、輪ゴム、警察署シール、子供向けアニメシール、美少女アニメシール、未使用ばんそうこう、使用済み感ばんそうこう、をビニール傘の手元に加工した結果、ある程度の盗難の防止効果があったそうです。またビニール傘で実験をしたが、その時に同じように置かれていた折りたたみ傘などのビニール傘以外の傘は盗難の確率は低かったとのことです。
https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2015/webprogram/2015/pdf/1D4-OS-22a-3.pdf

イ.シール系以外
・持ち手カバーを付けると、個性的になり目立つため手を出しにくくなるのではないでしょうか。かぶせるタイプは外される可能性もありますのでそこは注意がいるかも。

・自分で樹脂を使って手の型を取った手元をつけたところ他人には握りづらいうえ、見た目のキモさも手伝って敬遠されたそうです。

・持ち手が外れる傘なら盗まれなさそうです。ドイツの「レッド・ドット・デザイン賞」で入賞したデザイン「Lizard Umbrella」があります。

(2)傘そのものへの対策
・派手なデザインの傘にすることで、盗んで持ち主に見られてすぐわかると思わせる。ビニール傘はどれも同じようなデザインのため、持っていても目立たないから盗まれる可能性が高くなります。

・傘に鍵をかける。自転車のワイヤーロックやチェーンロックの感じでしょうか。しっかりとつけることができなくても抑止力にはなります。ただし手元に加工が必要になるかも。

・常に手から離さないようにする。電車で席に座ったときも手すりにかけずに手に持っておく。お店に行っても可能であれば傘立てに立てずに席の近くまで持ってくる。自分の荷物につないでおく。

・軽く壊しておく。傘と骨を止めている露先部分をいくつか外しておくと壊れた傘と思い持っていかない。

・飲みかけのドリンクを傘の中に差しておくと盗まれにくいとのこと。ドリンクの処理の面倒さや持ち主を強く感じるものが抵抗を感じさせるのかもしれません。

・傘を閉じたときに受け骨の部分に適当な輪をはめて、開くことができないようにする。開こうとしても開かない傘は持っていかないのではないでしょうか。

2.施設側ができる対策

・「傘を盗むな」「持ち帰り禁止」「見ているぞ」「警備員巡回中」「防犯システム作動中」などのメッセージの書かれた看板を設置する。

・防犯カメラ・防犯システムを設置する。

・論文「罪悪感に訴えかけるアンケートが傘の盗難防止に及ぼす効果の検討」によると、
仕掛学(ある仕掛をすることで特定の行動をしたくなる、もしくはしたくなくなる、ということを研究する学問)を利用、アンケート「傘を取られてつらい思いをしたことはありますか」を設置した傘立ての方が、盗まれる確率は低くなるが時間の経過とともに効果は少なくなるとのこと。またにわか雨などの緊急度が高い時は効果が低くなるそうです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2019/0/JSAI2019_2E3J1202/_pdf/-char/ja

考察

色々調べてみると、やはりビニール傘の使用が盗難に一番関係しているようです。
ビニール傘は、
①多くの人が使用し、個性がなく誰の傘かわからないこと、
②料金が安いため盗む人の罪悪感が低いこと、
③持ち主の方も安い傘のため盗まれないように慎重に扱っていないこと、
④壊れたビニール傘が町中に打ち捨てられている状況を普段から目にして傘を大切に使おうという気持ちが低いこと、
などが要因として挙げられると思います。ビニール傘は社会の公共財のように言う人がいますが、盗られる側の人にその認識がなければ一方通行の通用しない理屈となります。

安いビニール傘ではなく、自分の気に入った傘を大切に使うことが盗難にあう確率を下げることになります。
そして、社会全体に対しても傘を盗むことの悪質さをあらためて認識させていくことにつながるかと思います。
環境的な問題だけでなく、社会モラル的な面からも安いビニール傘ではなく、永く使えるしっかりとした傘を使うことをお勧めします。

最後に、人の傘を持っていくのは絶対にやめましょう!