傘を取り巻く環境

傘の修理の解決法! 壊れたとき、どうしたらいい?

こわれる原因 ナンバー1は?

傘が壊れる原因はたくさんありますが、一般的には物理的な力が加わることが多いです。

例えば、子供が傘を振り回したり、電車のドアに挟まれたり、自転車の車輪に巻き込まれたりすると、傘の構造が損傷を受けやすくなります。これらの状況では、傘の骨組みが曲がったり、生地が裂けたりする可能性があります。

そのなかでも最も一般的なのは強風によるものです。特に、開いた傘が風を受けやすく、骨組みに過度な負担がかかることで、裏返ったり、骨が折れたりすることがあります。

また、傘を開閉する際の扱いが雑だったり、傘の品質が低い場合も壊れやすくなります。

例えば、100円ショップなどで販売されている安価な傘は、素材が脆弱であるため、簡単に壊れることが指摘されています。

傘を長く持たせるポイント

傘を長持ちさせるためには、使用後は水気を切って乾燥させ、開閉は丁寧に行うことが重要です。
風の強い日には、風に強い設計の傘を使用するか、傘を使わず、雨宿りをすることが推奨されます。
さらに、傘を持つ位置や角度を調整して風の抵抗を減らすことも有効です。

傘が壊れた場合には、修理する方法もありますが、壊れにくい傘を選ぶことが最も重要です。
傘の取り扱いに注意を払い、適切な保管方法を守ることで、傘の寿命を延ばすことができます。

傘のメンテナンスについてくわしくはこちら

傘修理 故障部位ごとの対応法 露先の修理

露先の修理

傘の露先修理は、適切な道具と手順を理解していれば自宅で簡単に行うことができます。
修理には、針、糸、糸切りバサミが含まれるソーイングセットが必要です。

まず、壊れた露先を取り外し、新しい露先を用意します。

新しい露先を傘の骨の先端にしっかりと固定するために、糸で数回縫い付ける必要があります。

傘の布をきれいに伸ばし、生地を内側に折り返した後、つゆ先部分を布で包み込み、その部分に糸を通してしっかり縫い付けます。最後に露先を骨に差し込むときはクルリンパと帽子をかぶるようにしますので、縫い付けるときの向きに注意してください。

縫い終わったら、玉止めをして糸を固定し、露先が傘の布にしっかりと固定されていることを確認します。

骨の先をゆっくり差し込むことも重要です。傘の骨には太さ(サイズ)がありますので、つゆ先は合うものを購入することが大切です。
また、傘によってつゆ先のデザイン、素材、色が異なるため、修理した1カ所だけが目立たないように、できるだけ似たものを選ぶことが推奨されます。

特殊な形状や複雑なデザインの傘の場合、自分で修理するのが難しい場合があるため、専門店に依頼することをお勧めします。
修理用のパーツはインターネットやホームセンターで購入可能ですが、傘の骨の太さやつゆ先の形状を確認してから選ぶようにしましょう。

参考:生地と露先の縫い付けられた状態の画像

露先が親骨についている状態

露先を親骨から外して裏側からみた状態

表側からみた状態

露先を縫うときの方向に合わせ表側からみた状態

露先を縫うときの方向に合わせ裏側からみた状態

石突の修理

石突の修理は、正しい手順と注意点を把握することで、自宅でも簡単に行うことができます。

まず、傘の先端部分に残っている破損したパーツを取り除きます。

次に、中棒を取り出し、接着剤を適量塗布します。この際、ボンドや他の接着剤を使用することができますが、素材に適したものを選ぶことが重要です。

接着剤を塗った後は、新しい石突を中棒の先端にしっかりと固定するために、奥までしっかりと押し込みます。

傘の「石突」部分

修理部品を購入する際には、中棒の太さに合った石突を選ぶことが肝心です。中棒の太さが合わないと、石突が固定されず、傘が正常に機能しない可能性があります。
また、接着剤が完全に乾くまで、傘を使用しないようにしてください。

生地やぶれの修理

修理の第一歩として、傘の親骨から生地を取り外し、破れた部分にアクセスしやすくします。

次に、ナイロン糸を使用して裂け目を縫合することが推奨されます。ナイロン糸は水を通さないため、雨傘としての機能を保持するのに適しています。綿糸の使用は避けるべきです。

破れた部分を覆うためのパッチは、裂け目よりも大きめに切り、周囲に3cm程度の余白を取ることが望ましいです。

パッチの裏側には布用接着剤を塗布し、傘生地の破れた部分を平らな面に置いてから、パッチを貼り付けます。この方法は、破れた部分をしっかりと保護し、さらなる損傷を防ぐ効果があります。

最終的に、傘を元の状態に戻すためには、取り外した親骨に生地を再度縫い付ける必要があります。

また、傘やテント専用の補修テープを使用する方法もあり、これはさらに簡単で迅速な修理を可能にします。補修テープは、破れた部分に合わせてカットし、貼り付けるだけで修理が完了します。

どちらの方法も有効であり、傘の生地が破れた際には、これらの手順を試してみる価値があります。

しかし、特殊な形状や複雑なデザインの傘の場合は、自分で修理することが難しいこともあります。そのような場合は、専門の修理店に依頼することをお勧めします。
修理に必要なパーツは、インターネットやホームセンターで入手可能ですが、傘の骨の太さや先端の形状に合ったものを選ぶことが重要です。

骨折れ、骨曲り、ダボの修理

骨曲りの場合は、まず曲がった骨を慎重にまっすぐに戻し、折れてしまわないように注意深く作業を行います。

次に、骨接ぎパーツを傘の骨に合わせて外側から取り付け、出ている爪をラジオペンチでしっかりと折り込んで固定します。

この際、骨の太さや形状に合った修理部品を選ぶことが重要です。U字型や丸型の骨があるため、購入する前には骨の形状を確認しましょう。

また、骨の接合部分(親骨と受骨の連結部、ダボ)の故障には、適切な骨接ぎパーツをセットし、針金でしっかりと固定することが大切です。針金は安全に折り込むことで、使用中に怪我をするリスクを減らすことができます。

修理をしてくれるお店、修理用の部品の購入場所

購入したお店の一部、靴やバッグの修理を行っているリペアショップ、傘専門店などで壊れた傘を修理してくれます。
ただしどの店舗でも修理可能というわけではなく故障の状態にもよりますので確認が必要です。また、修理用パーツはホームセンターやハンズ、100均ショップなどで扱っています。

傘は使い捨てるのではなく、長く使い続けることが環境と未来に対して、とても大切なことになります。
傘はゴミとして分別することが難しい製品であり、分解して分別することのできない多くの傘(特にビニール傘)は埋め立て処理をしています。
雨に降られるたびにコンビニでビニール傘を買って家に何本も置いておくのではなく、今回まとめた修理方法を活用しながらお気に入りの傘を長く使っていただけたらいいな、と願っています。