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傘を持って行きたい 春の奈良・吉野旅行【傘のプロ妄想シリーズ2】

傘全集のスタッフによる傘と旅の妄想エッセイ。
今回は、春の奈良・吉野への旅です。この時期は桜の名所として全国的に有名ですが、運がよければ雲海を見ることができるということでチャンスを狙っていました。

雲海と気候

前日に雨が降った吉野山の早朝、雲海が発生しました。ラッキー!

ところで雲海はどうしてできるの?
雲海ができる仕組みは、水分を含んだ空気が冷えると微細な水滴が生まれ、雲が発生します。そして暖かく乾燥した空気の層がその上に重なることで、雲が上昇できずに広がっていきます。これが雲海として見られる現象になるとのことです。
この地域では3月末から4月初めにかけて、昼間の気温が緩やかに上がり、穏やかな春の日が増える傾向があります。ただし、夜はまだ冷え込むので、昼夜の寒暖差に備えることが大切です。

この時期どんな傘がいい?
また、晴れたときと雨のときと両方の天気が予想されたので雨傘にも日傘にもなる晴雨兼用傘が最適です。
日傘に関連し、4月頃から紫外線の量も増えてくるので対策は忘れずに。この時期の曇り空は花曇りといいますが、曇りの日も紫外線は晴れの日の6割以上、雨の日でも2割以上降り注いでいます。
UVカット効果のある日傘がいいですが、カット率100%にこだわる必要はないと思います。そもそも地面や空気中の反射がありますし、しばらく使用していれば生地も劣化してカット率も下がってきますので。

吉野山の歴史

吉野山の桜は、修験道の開祖である役行者が、日本独自の仏である金剛蔵王権現を祈った際、その姿をヤマザクラの木に刻んで祀ったことに起源があります。
2004年には吉野山から熊野にかけての霊場と参詣道がユネスコの世界遺産に登録されました。

歴史的にも吉野山には多くのエピソードがあります。
1185年、源頼朝の討伐を受けた義経・弁慶らは吉野山に身を隠し、追討を受けて静御前と別れ、東国へ脱出したとされています。
1336年には後醍醐天皇が京都を逃れ、吉野山に南朝とも呼ばれる別の朝廷を置きました。

吉野の桜と観光

吉野山は桜の名所としても有名で、尾根には3万本の桜が谷や尾根を埋め尽くし、4月上旬から下旬にかけて見頃を迎えます。下千本、中千本、上千本、奥千本と順に開花し、山を美しく染め上げる様子は見事です。よく聞く「千本桜」はこの吉野山の桜から生まれた言葉です。

観光スポットとしては、吉野山には世界遺産の蔵王堂や歴史ある神社仏閣が多数あります。
さらに、日本最古のロープウェイや「銅の鳥居」と呼ばれる日本三大鳥居のひとつ、大パノラマを楽しめる花矢倉展望台などもあります。
神秘的な雰囲気漂うパワースポット「奥千本」も必見です。

桜の時期には交通規制があり、中心部の道路は早朝や夜間以外は歩行者天国となります。
また、奥千本行きのバスも各所から乗車でき、料金は吉野山駅からの場合、大人500円、子供250円です。
桜の名所である吉野山での花見や観光を楽しむ際は、これらの情報を参考にしてください。

吉野山では、地元の味覚も楽しめます。吉野葛の葛切りや葛うどん、柿の葉寿司などが人気です。吉野山での観光や花見の際は、このような名物も予定に入れたいですね。
実は、牛丼系外食チェーン「吉野家」も、創業者が吉野山の桜を愛して創業されたお店です。旅行の後で吉野家の牛丼を食べた際には千本桜と雲海のことを思い出すかもしれません。