傘は日用雑貨というカテゴリーなわけですが、一番近い物品は靴だと思います。
靴はほぼ毎日使用するもので、傘(日傘)は雨の日と強い日差しの晴れの日に使用されるという違いはありますが、外部の不快要素から人体を守るという点でも似ていますよね。
素材が多岐にわたるという事も似ている点ですし、修理が大変だというのも似ています。
実際、傘が壊れたときには、一般人としては捨てる以外の選択肢がないレベルで困難な傘の修理ですが、どうしても直したい人は靴の修理屋さんに傘の修理を持ち込むケースが多いそうです。靴の修理会社の人が言っていました。
が、現行の傘は修理を前提としていないため、きわめて修理が難しい存在です。部材点数が多すぎますし、ちょっとした部分を直そうとしても製造工程と変わらないぐらい手間がかかります(しかも修理箇所は個別なので流れ作業もできない)。
ですから、巷で売られている大体5000円以下の傘が不良だった時には、修理はしないで現品の傘を交換するのが一般的です。
要するにこのあたりの価格帯の傘も使い捨てビニール傘も、壊れたらその後は修理できずに廃棄なわけです(壊れやすさは個々の価格帯で全然違うので環境負荷は使い捨てビニール傘が圧倒的にやばいです)。
ちなみに、修理を前提としている傘は、大体五万円から十数万円で売られているものに限ります。この価格帯ですと修理をするパーツの準備や人員の確保をするための利幅が取れているので、交換ではなくちゃんと修理してもらえます。つまり、お財布には厳しいですが、環境にはとてもやさしいです。
で、勘の良いみなさんはお気づきだと思いますが、その間の価格帯の傘はどうなっているのか?疑問ですよね。結論から申し上げますと、この価格帯の傘を扱う業者さんは自腹を切って修理対応もしくは現品交換をされています。この価格帯ではどちらをやっても赤字です。3000円程度の修理代をとっても赤字なはずです。怖いですね。