傘雑話集

傘の規格について

傘の規格について

雑貨品というカテゴリにおいて、きちんとした規格がある事は珍しいそうなのですが、傘には意外に歴史のある規格が存在します。いくつかあるものの中で面白いものは、1960年代にはマークまで出来ていたというJUPA(ジュパ)基準です。これは傘専用の基準というなかなか稀有なものになります。

この基準はもともと傘を日本で製造し、海外に販売する際にこのような基準をすべてクリアしているから安心安全ですよという事を発信する目的で作られたようで、歴史も古いのですが、結構厳格な基準であったりします。分かりやすく言うと、近所で売っている1000円クラスの傘ですと、この基準をクリアできるものはないと言ったレベルです。2000円前後の傘でもクリアできていたり出来なかったりと言うほど厳しい基準であり、とても高価な傘の中にもこれをクリアできていないものがあるようなので、このマークのある傘は丈夫な良い傘だと言って良いです。

ただ海外に輸出する時に作った基準であるのに、輸入して日本で使う際にはこの基準をクリアできない傘が多いというのはちょっとした矛盾です。これは現在主力である外国産の傘のレベルが低いだけではあるのですが、現在、日常的に使用されている傘はクリアできていないとしても問題がないケースが多いので、心配はいりません。大手量販店などは独自の基準設け、それをクリアしているので大量の不良が出回ったという事はない訳です。

それどころかものによっては量販店基準の方が厳しいケースすらあります。どうして量販店基準の方が厳しいケースがあるのかと言いますと、量販店の基準は主に丈夫さにこだわった基準であるからです。ファッション性も考えてはありますが、重要なのは強度であるといった発想なのかも知れません。

これに対しJUPA基準は丈夫さにこだわりながら独自性も重視しているためなのか、丈夫にできない部分に特別な配慮をして、この部分の強度は無くても仕方ないという内容になっているのです。丈夫さにだけこだわった基準にしてしまうとファッション性を重視した高価な素材を使った傘が、この基準をクリアできないという事を避けるために、JUPA基準は緩い部分もあるというきめ細やかさも少々変わっている基準だと言えそうですね。

単なる雑貨であるのに厳しくも柔軟な基準が設けられている傘、なかなかに奥が深い製品だと思います。