傘雑話集

傘をつかむ部分

傘をつかむ部分

皆さんは傘をつかむ部分をどのように呼んでいますか?

そもそも「柄」が複数の意味と複数の読み方をもつ大変な漢字であるので、傘をつかむ部分を「柄」と称しにくいですし、「手元」も「手元に資金がない」などの別の意味を持つ言葉とも取れます。「取っ手」という言葉も気持ちとしては「やかんの取っ手」のような閉じた握り部分をイメージすることが多いです。

また、外来語からくるハンドルやグリップもありますし、日本語でも持ち手、中国語では傘頭、傘柄など本当に多種多様です。

職業として傘に携わっている人は一般的に「手元」と称します。

本来であれば「柄(え)」と読んでいただければこの言葉がしっくりくるのですが、「柄(がら)」と「柄(つか)」と読むことが可能なので、そうなりますと意味が変わってしまいます。とくに「傘の柄」と書いたら傘の生地デザインの事なのか握り手部分なのか、判別が全くつきません。

そのようなわけで傘に携わる人が傘を握った時に自分に一番近い部分、「手元」と称するようになったと言われています。仕事に使う用語は紛らわしいものを避ける傾向にありますので、この呼称の選択はシンプルに消去法だったようです。

なお、英語の場合はやはりグリップではなくハンドルを使います。やはり意味合い的に傘を手で固定するというよりも、傘を手でコントロールするという事からそちらが通称として用いられています。