「傘」を題材とした曲は古今東西たくさんあります。
傘は、雨や強い日差しという人の活動を遮るものを遮るという役割から、「〇〇を守る」という意味で使われることがあります。同様に「傘を持たない」ということを「守られない、無防備な状態」という意味で使われることもあります。
今回は邦楽で「傘、日傘、パラソル」という言葉が題名に使われている曲について、傘を軸に紹介したいと思います。
傘と音楽のマリアージュ!J-POPで聴く傘をテーマにした名曲集
King Gnu『傘』(2019年)
King Gnu『傘』(2019年)
作詞:常田大希
作曲:常田大希
さよなら
ハイになったふりしたって
心模様は土砂降りだよ
傘も持たずにどこへ行くの?
のフレーズが印象的な曲です。
この歌は、仕事に疲れた社会人がうまくいかない恋愛について「心の土砂降り」に対する傘がないということを伝えています。
普段は、念のために傘を持って出かけたい所ですが、突然の失恋で心に土砂降りが降ってしまっては備えることが出来ないですね。
社会人であれば、会社に置き傘をしておいたり、ビジネスバックに傘を入れて置いたりして備えておきたいものです。
ここで社会人の傘のマナーについて、振り返っておきたいと思います。
・ 長傘の場合、親骨は8本以上あると風が強くても安心。ハンドルはJ字の形状になっているものが立ち止まってバッグの中を確認したり、物を取り出したりするときに腕にかけられるので便利
・ ビジネスの場で望ましい傘の色は男女で多少違ってきます。男性の場合は派手な色は避けて黒や紺色の傘を持つのが無難。一方、女性はそれほど色について控える必要はありません。
・ ビニール傘はマナー違反ではありませんが、場合によっては事前準備不足と悪い印象を与えかねず、注意が必要
・ 訪問先の入り口や受付の手前で、傘についた雨滴を落とし、ネームバンドで閉じるようにします
・ 傘を振り回して水滴を落とさない。人のいない方向に向けて、軽く閉じたり開いたり、を数回繰り返します
・ 訪問先に傘立てが用意してあれば利用します
・ 傘立てを利用しないときは畳んで付属の傘ふくろに入れ、自分のバッグにしまいます。バッグの中がぬれないようにビニール袋などを用意しておくといいです
・ 危ないので勢いよく開かない
・ 傘は上に向けて開かず、まず斜め下に向けてやや開いてから上に向け、その後しっかり開きます
・ 電車内では、他の人につかないように「傘を引き寄せて身体の正面で持つ」「傘の先を浮かせない」
・ 電車の座席の横の手すりや吊革に傘を掛けない
・ 駅の階段を上るときは、後ろの人の危険を避けるため「傘を地面と垂直に持つ」
・ 危ないので傘を地面と平行にして持ち歩かない
井上陽水『傘がない』(1972年)
井上陽水『傘がない』(1972年)
作詞:井上陽水 作曲:井上陽水
この曲の歌詞の状況として、傘面からみると次のようなことを表していると思われます。
・ 雨が降っている。小雨ではないようだが、雨量については分からない
・ つめたい雨なので、季節は晩秋から春先くらいまでの雨
・ 台風ならテレビで台風情報を放送しているので、台風ではないのだろう
・ 「君」は別の町にいるのでそれなりに距離はあるに違いない
・ そうなると傘がなければレインコートでも着ない限り服が雨に濡れて風邪をひくことになろう
・ 「風邪は万病のもと」といわれている
・ やはり傘がないということは、とても大変なことであり、場合によっては命に関わるかもしれない
・ 傘は必ず家に用意しておく、出かけるときは携帯していくことが大切ということが身に染みる
My Little Lover『日傘~Japanese beauty~』(2001年)
My Little Lover『日傘~japanese beauty~』(2001年)
作詞:Takeshi Kobayashi 作曲:Takeshi Kobayashi
この曲では、失恋について自分の心の傷つきやすい部分を守るものとして「白い傘」が使われています。
この曲の題名である「日傘~japanese beauty~」のにちなみ、日本の江戸時代の日傘の歴史を紹介します。
・江戸時代の四代将軍・徳川家綱から五代将軍・綱吉の1673~88年には、京都・大阪・江戸で花鳥や唐草などの模様を描いた「絵日傘」の生産が盛んでした。これが婦女子の間で大流行しました
・18世紀初頭(八代将軍・綱吉)の頃には、大坂で「番傘」が登場します。さらに、青色の紙を張った「青日傘」が医師や僧侶が使用するようになり、それが婦人の間にも流行しました
・寛政期に入ると、天保の大飢饉後に続く「寛政の改革」で緊縮ムードが世を覆ったのか、日傘の製造や使用が制限され始めます
・寛延2年(1749)、京都で大人の日傘使用禁止のお触れが出ます。特に男性の日傘使用が厳しく禁じられたようです
・また、加藤 曳尾庵(かとう えいびあん)という水戸藩士で文人・医師である人物が記した随筆『我衣』には、江戸町奉行の水野備前守も日傘に対し苦言を呈したと記してあります
・文化・文政期(1804~30)になると、老中・松平定信が財政再建のため、いわゆる「贅沢禁止令」を発効。娯楽本・髪型・簪の数、着物の柄や素材など様々なものが制限・制約されます。日傘を目にするのは歌舞伎の芝居道具か花魁道中ぐらいになったようです
・弘化年間(1844~47)に入ると、ようやく日傘が市中で見られるようになりますが、おおっぴらに解禁ムードになったのは幕末の嘉永年間(1848~1855年)の頃。男女問わず日傘は日常使いされていたといいます
松田聖子『白いパラソル』(1981年)
松田聖子『白いパラソル』(1981年)
作詞:松本隆 作曲:財津和夫
松本隆作詞の有名な曲ですが、サビの「渚に白いパラソル」はバカンスの楽しげな景色とともに、遠くにポツンと一つ見えるパラソルが不安な心の状態を表しているように思います。
そんなビーチパラソルを設置するときのポイントを以下に紹介します。
まず
・テラス用ではなくビーチパラソル用を選ぶ
・ポールは木製のものがおすすめ
・先端部分の確認も忘れずに
正しいビーチパラソルの立て方
・必ずパラソルを閉じた(取り付けない)状態で作業をはじめる
・全体重を使って差し込む
・ポールを前後に揺らす
・ポールを安定させる
・パラソルを開く(または取り付ける)
・固定したら触らない
・周辺で遊ばない
・風向きに合わせてポールを立てる必要はない
・ポールから離れるときは畳む
・ときおり固定されているかチェックする
まとめ
傘や日傘、パラソルという言葉が題名に入っている曲を紹介しました。
いずれもこのキーワード「傘」がある心の状態を意味するものとして使われています。これは洋楽においても同様で、「保護」、「シェルター」、「愛」などのメタファーとして使われています。
その意味では東西を問わず傘のイメージは同じものといえるのかもしれません。
今回紹介した曲以外にもまだまだたくさんの曲があると思いますので、こんな曲がある、と教えてください。