傘雑話集

雪の日の日差し

雪の日の日差し

スキーをするときにスノーゴーグルをする理由の一つに太陽光の雪による反射から目を守るというものがあります。それほど雪原での太陽光は強くなるという事なのですが、なぜなのでしょうか?

通常、冬の日光は夏に比べて弱くなります。ほぼ真上から地上に到達する日光と斜め45度から地上に到達する日光とでは通過する地球の大気層の距離が大幅に増えるため、太陽光線の力も大きく減衰します。つまり、冬場はそれだけ紫外線量も少なくなるため、雪の降らない都市部などにおいて日焼けはしにくくなっているわけです。

ところが雪が降り積もった場合に関してはちょっと違った状況が発生します。
雪が降っているときは曇っていますし日も出ていないケースがほとんどですので関係ないのですが、雪が積もったケースに関してのみ日焼しやすい、紫外線が多い状況が生まれます。
というのも雪面は太陽光を非常によく反射し、直射光の80%ほどの光を跳ね返してくるので、仮に冬場の太陽光線の力が夏場の50%だったとしても、反射光が40%追加で来るため、全体では90%の光を浴びることになってしまいます。

よく、スキー場で日焼けするのは、冬場で油断しているからではなくて、単に日差しが強いから良く焼けるという事です。ですので都市部ではめったにない事ではありますが雪が積もっている晴れた日には日傘をさして、少しでも太陽光の直射を避けた方が良さそうです。日傘で雪面からの反射光を防ぐのは難しくはありますが、上からと下からの両面から焼かれるよりも、下からだけの紫外線暴露だけにした方が良さそうですから雪の日の日傘の使用を検討されてはいかがでしょうか。もちろん、雪道を歩くにあたって日傘の使用時は片手をふさいでしまいますから、くれぐれも転倒にはお気を付けください。