傘と文化との関係

雨の日もおしゃれに!傘好きが注目する海外の傘ブランド特集 イギリス編

日本の洋傘は江戸時代に海外(ヨーロッパ)から輸入されたものが土台となって発展していきました。
世界の傘と日本の傘を比べた場合、基本的な形や構造はそれほど変わりないかと思いますが、やはりそれぞれのバックグランドからにじみ出る個性があると思います。
現在の世界で傘の主力製造地であるアジア以外で傘を製造している会社について、今回はイギリスをピックアップしてみました。
各社の紹介を通して日本で流通している多くの製品との違いを感じてみてはいかがでしょうか。

イギリスの傘メーカー

FOX UMBRELLAS

公式ホームページ https://www.foxumbrellas.com/フォックスアンブレラズは、ロンドンの金融街「シティ」でトーマス・フォックスの手により誕生しました。
木型による生地の裁断、ミシンによる縫製、メタルフレームの組み立て、各種自然素材のハンドルの加工など、その全ての工程が熟練した職人によるハンドメイドで行われています。
1868年創業以来変わらない伝統で英国王室をはじめ世界中に多くのファンを持っています。
FULTON

公式ホームページ https://www.fultonumbrellas.com/フルトンは、女王エリザベス2世陛下御用達“ロイヤルワラント”の名誉を授かったレイングッズメーカーです。
1956年に発明家、そして技術者であったアーノルド・フルトンにより創立されました。
現在では、フルトン社の傘は独自の機能性と、英国らしい洗練されたファッション性を持ち合わせ、イギリス国内のトップシェアを誇っています。
また、イギリスはもちろん、ヨーロッパ・アメリカ・カナダ・ロシア・ アジア・中東・オーストラリアなど世界各国で、フルトン社の傘はレイングッズの世界的ブランドとして多くの人々に愛され続けています。
SWAINE ADENEY BRIGG

公式ホームページ https://swaine.london/collections/briggスウェイン・アドニー・ブリッグは、2つの老舗が第二次世界大戦中に合併したことが、今日の歩みの幕開けとなりました。
スウェイン・アドニーは、1750年にジョン・ロスによりロンドンのピカデリーで創業された鞄、革小物を中心に王室御用達を勤める老舗です。1780年に、ジョージ三世の馬用のむちメーカーとして、王室御用達になっています。
1798年にジェームズ・スウェインがその事業を購入しました。
トーマス・ブリッグ・アンド・サン社は、1836年にセント・ジェームズ・ストリートで創業し、傘、ステッキ、狩猟用の鞭などを製造していました。1893年には英国王室ご用達の任を最初に授かった傘メーカーになるなど、一定の名声を得ていましたが、第二次世界大戦にフランスが占領され、パリのショップを失ったため、経営は苦しくなりました。
そこに手を差し伸べたスウェイン・アドニーが買収し、スウェイン・アドニー・ブリッグとなりました。
「 一本で孫の代まで使える傘 」をコンセプトに一世紀半にわたって、創業以来何ひとつ変らぬ品質を誇る製品を、職人の手作業によってつくりあげています。
LONDON UNDERCOVER

公式ホームページ https://londonundercover.co.uk/デザイナーのジェイミー・マイルストーン氏により2008年に設立したブランドです。
傘というアイテムに注目し、ファッションアクセサリーとして傘本来の魅力を最大限に引き出すことを目的としています。クラフトマンシップとユニークなデザインを追求し、コンテンポラリーな傘コレクションを展開。伝統的な技術を駆使し、ロンドンでハンドメイドしています。
HUNTER

公式ホームページ https://www.hunterboots.com/jp/ja_jp/1856年創業のハンターは進歩的な英国老舗ブランドで、ブランドシンボルでもあるオリジナルブーツでその名を知られて‎おり、女王エリザベス2世およびエディンバラ公より王室御用達として指定されています。
長い革新の歴史を持つ当ブランドは、過酷な自然環境からパイオニアたちを守るデザインを生み出し続けてきました。
LOCKWOOD

公式ホームページ https://www.lockwoodumbrellas.com/2014年にMoses ManleyとEdward Gucewiczによりスタートしました。2人はロンドンの老舗傘店(1830年創業)で修業し、熟練の技術を元に北ロンドンのワークショップでハンドメイドしています。
世界各地から最良の資材を調達し、何百年にもわたり、昔ながらの技術で造られた傘は強度と耐久性があり、きちんとケアをすれば末永く愛着を持って使い続けられます。
Ince Umbrella
公式ホームページ https://www.inceumbrellas.co.uk/1805年創業でイギリス最古の傘メーカーをうたっています。
現在も昔ながらの製法にこだわり、ロンドンのスピタルフィールズの工場で一本一本を手作りしています。
James Smith & Sons

公式ホームページ https://www.james-smith.co.uk/1830年に創業したロンドンの傘屋。1857年には現在店舗を構えるNew Oxford Streetに移転しました。イギリスで最初の傘屋とも言われている老舗ブランドです。

まとめ

イギリスは日本と同じように王室御用達の品々があります。また階級社会における貴族やブルジョアジーなどのスタイルもあります。
そのような中で長い時間をかけて洗練された傘がイギリスの特長ではないでしょうか。
一方でそのような階級を飛び越えるアバンギャルドなファッションが出てくるのもイギリスの特長ではないかと思います。
伝統と革新の両方を持つイギリスの傘を手に、自分のスタイルを表現してみてください。